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山田side
トイレから戻ってくると、楽屋の入口で電話をする知念の姿。
声をかけず聞き耳をたてれば、
「Aの家に忘れ物したみたい！茶色紙袋ない？今日必要なんだ」
知念お気に入りのAと言う女性。
あの人の家に忘れ物をしたらしい。
「※※※※ってところ。一応位置情報も送っておくね」
時間的にも取りに行くのは厳しい。
そうか、あの人が来るのか········。
「知念、おはよう」
電話が終わったタイミングで声をかける。
「涼介、おはよう」
「今日はいつもより遅くね？」
「そんなことないよ」
たわいも無い会話をして楽屋に入り時間をチェックする。
タクシーで来るだろうし、待っててもいいか。
「僕、トイレ行ってくる」
楽屋を出ていった知念を横目で確認し、今メイクをしている伊野尾ちゃんに連絡。
【知念きたから、メイク室に行かせていい？】
すぐにOKのスタンプが送られてきた。
急いで楽屋を出て、知念を探す。
トイレに行ってないことは明らかで、あの人が来るだろう方向に向かって歩けばスマホ片手に立つ知念の姿。
「知念っ！」
「涼介！？」
はぁはぁと走ってきた振りをして、知念に声をかけた。
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作者名：ドライ | 作成日時：2023年6月8日 12時
