拾い物はJUMPのお姫様 (ページ47)

今日:13 hit、昨日:5 hit、合計:25,299 hit

47 ページ47

「着きましたよ」

目的地に到着し、お金を払いタクシーを降りる。

目の前には大きな建物。

ビクビクしながら入り口を通り、右左と確認すれば受付の場所を見つける。

『あの····知念侑李の忘れ物を届けにきまして』

知念侑李と言うのも申し訳ない気持ちがある。

「伺っております。あちらに進んで頂ければお待ちしていると思いますので」

『ありがとうございます』

ペコリと会釈をし教えてもらった方に歩き出す。
やはり受付嬢なだけあって侑李の名前を出しただけじゃ動揺しない。

もしかして、私が初めてじゃないから？

よくあることで、見慣れてるから？

そう考えると胸がチクリとした。

「あれ、Aさん？」

『あっ····。山田さん····』

歩いていると会ったのは知念侑李ではなく、山田涼介だった。

「なんでこんなところに？」

『あの、侑李の忘れ物届けに』

「そうなんですね。けど、今、知念メイク中だからまだ来ないかも」

『そうなんですね。じゃあ、これ。侑李に渡して下さい』

持っていた茶色封筒を山田涼介に渡すと

「直接渡さなくていいんですか？」

と驚いている。

,