拾い物はJUMPのお姫様 (ページ34)

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知念side

片付けも終わり、やっとゆっくりできるなんて思っていれば

「知念、そろそろ帰ろ」

涼介がバックを持ちこちらを見ているが、僕はまだ帰りたくない。

今日だって泊まるつもりできているのに。

「僕は····」

「早く、な？」

涼介は、なんで僕を連れて帰りたいの？

どうして後をつけてきたの？

涼介の気持ちがわからない。

僕が黙っていると、Aが

『あの、山田さん？』

と口を開く。

『今日、侑李に相談あって来てもらったんです』

相談なんて無いはずだけど、むしろ今日だって僕のわがままで料理をしてくれて····。

「相談？俺も聞いてもいいです？」

『ちょっと····それは····。山田さんとは今日初めてあったので、相談はしにくいです』

"今日初めてあった"

その言葉で、Aが自分で僕を呼んだ事にして涼介を帰そうとしてると気づく。

「そう、ですか····。わかりました」

そこまで拒否されれば、流石に諦めるしかない涼介。

Aもホッとした顔をしていて安心した。

涼介を見送るため、3人で玄関へ。

「知念、あとで連絡ちょうだい」

そう言って涼介は帰っていった。

ドアが閉まる瞬間がスローモーションにみえ、涼介と目が合った、そんな気がした。

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