拾い物はJUMPのお姫様 (ページ28)

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あの後、タクシーが無事に捕まり2人で乗りAの家に向かった。

チャイムを鳴らすと

『はーい』

とAの声が聞こえ、胸が高鳴った。

ガチャと鍵があき、ドアが開く。

『おかえり、侑李』

「ただいま」

【おかえり】なんていつぶりだろ。

僕の家じゃないけど、そうやって迎え入れてくれることが嬉しい。

「Aごめん。メンバー、一人ついてきて····」

「初めまして、山田涼介です。」

『初めまして。ここじゃあれなので、中にどうぞ』

見られたらまずいしね。

涼介と一緒に中に入り、リビングへと向かう。

『適当に座って下さい』

涼介が居るから敬語に戻ってて寂しい。

「····美味しそう」

『お腹減ったでしょ。食べていいよ』

テーブルに置かれた料理をみて、思わず言葉が溢れた。

「いただきます」

『山田さんのお箸持ってきますね』

立ち上がるAに、涼介はすみませんと呟いた。

「僕の為に作ってくれたのに、なんで涼介も食べるのさ」

「俺だって腹減ってるし」

「だから、帰れって言ったじゃん！」

「だって『はいはい。喧嘩しないで食べてください。お箸どうぞ』」

「ありがとうございます」

僕と涼介の言い合いに割って入るAにちょっと苛立つけど。

『ご飯ぐらいいつだって作ってあげるから、意地悪しないの。ね？侑李』

「わかった」

ふふっと笑うAの笑顔、可愛い。

邪魔者はいるけど、今日も幸せだ。

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