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知念侑李を拾い数時間が経つがまだ目を醒ますことはない。
幸い明日は土曜日で休みだから遅くまで起きてても支障はないのだ。



『お腹減った』



仕事が終わってから何も食べていない。
いつ起きるかもわからない《彼》を気にするのをやめ、台所に向かう。
冷蔵庫を開け気づく。全く食材がないと。
土日にまとめ買いがクセになり、今日は外食をする予定だったのを思いだした。
仕方なく冷蔵庫にあまり物を集め、お酒に合うつまみを作る。
テーブルにつまみと缶ビールを置きソファーに座る。
プシュッと缶ビールをあけ一気に喉を潤す。



『うっまぁ』



仕事終わりの一杯は染み渡る、なんて親父くさいことを思ってしまう。
ビールを飲みつまみを食べながらスマホをチェックしているとガサッと音がした。
慌てて寝室に戻ると、彼こと知念侑李が起き上がっていた。
だがまた寝ぼけているのか微動だにしない。



『大丈夫ですか?』



声をかけると



「...。だれ?なんで僕んちいるの?」



冷たい声を発し、Aを睨みつけた。



『すみません、私の家です····。』



嘘をついても仕方ないと本当のことを伝えると



「········。え?」



目を見開き、周りを見渡す知念侑李の姿が。



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作者名:ドライ | 作成日時:2023年6月8日 12時

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