拾い物はJUMPのお姫様 (ページ17)

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知念side

目が覚めると隣に誰もいない。
昨日の事は夢かと思ったが、この部屋は自分のではない。

「A？」

名前を呼んでも返事がない。
寝室から出て部屋中を探す、が何処にもいない。
連絡と言っても番号は知らないし、テーブルにスマホが置きっぱなしだ。

今日は休みのはず。
もしかして、昨日誰かに見られてた？

最悪な状況が頭を過ぎる。

ガチャ

玄関から音がする。
急いで向かい、ドアを開けた。

『え？』

急に開いたドアにびっくりしているA。
寝巻きにカーディガンとラフな格好で出掛けたのかと、それもまた腹が立つ。

仁王立ちをしてどこに行っていたか問い詰めると、コンビニまで朝ごはんの材料を買いに行っていたと。

「声ぐらいかけてよ」

勝手にいなくならないで。

『だって気持ちよさそうに寝てて、起こしたくなかったから』

気をつかってくれて嬉しいよ。
けどね、僕は不安だから。

「これからは寝てても僕のこと起こして。勝手に出掛けるの禁止ね」

こんな事しか言えない。
そしてAを抱きしめた。

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