いつか、いつになるだろうか 2 ページ28
「お誕生日おめでとうございます、アルフレッドさん。お招きいただいて光栄です。……あ、これ、プレゼントです」
部屋に入る前に出しておいたものをアルフレッドさんに渡す。
「わあ、ありがとう!開けてみてもいいかい?」
嬉しそうに聞いてくるアルフレッドさんに、私は待ったをかける。
「えっあっ、ダメです。なんか恥ずかしいので。センス的にもあまり自信がないので。ね?」
そう言うとアルフレッドさんは少し残念そうにしながらも、「わかったよ」と答えてくれた。
そうだ。いくらフェリシアーノやロヴィーノの家の近くに家があるからって、センスが良いとは限らないのだ。
そして少し落ち着いてから、菊さんの方から話を出してくれた。
「それはそうと、アルフレッドさん。少し前に仰っていた、今日遂行する任務、とは、一体何のことなんですか?」
ちょっと忘れかけていたので、はっとしてアルフレッドさんの方を向きなおし聞く体制をとる。アルフレッドさんは少し砕けた表情から一変して神妙な顔つきになる。
「それはね、それは……」
なんだか少し言いにくそうにしている。それほどまでに重要なのか。さっきからアルフレッドさんの目はあちらこちらを泳いでいる。
「彼が、アーサーがこのパーティに来る気を起こすように、それとなく何通かメールを送ってもらいたいんだ」
顔をどことなく逸らしながら話すアルフレッドさんは、悲しいような、少し悔しそうな複雑な表情だった。
聞いているこちらはと言うと、少し拍子抜けと言うか、まさか本当に想像通りだなんて思わなかった。もっと私たちの想像を超えるような、突拍子のないことを言われると思っていたから。というかなんで「来て」の一言がアーサーさんに言えないのだろうか。素直じゃないというか何というか、そういうところが兄弟なんだと思わせる。
「でも、アーサーさんがイギリスにいるのでは、私たちがお伝えした所で到着はずいぶん後になると思いますが……」
それもそうだ。いくら今アーサーさんがこちらに来ると言ったとして、チケットをその日にとってこちらに向かうことは不可能だ。
「ああ、それは大丈夫。彼今、アメリカにいるから」
続く お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←いつか、いつになるだろうか
2人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
_(:3 」∠)_ - 深夜テンションでここまでとは…言葉も丁寧で読みやすいです。これからも頑張ってください!応援してます。 (2018年6月4日 20時) (レス) id: e3a3a6d8ed (このIDを非表示/違反報告)
ふるた(プロフ) - _(:3 」∠)_さん» コメントありがとうございます!深夜のテンションで作ってしまったためそんなに言っていただけると思いませんでした。これからも読んでいだけると幸いです。 (2018年6月4日 19時) (レス) id: ce22852cc5 (このIDを非表示/違反報告)
_(:3 」∠)_ - 初めまして!とても楽しく読ませていただきました。次の更新が待ち遠しいです(*^-^*)楽しみにしてます♪ (2018年6月4日 19時) (レス) id: e3a3a6d8ed (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ふるた | 作成日時:2018年6月3日 4時