午後２時過ぎ ページ2
……喉が、渇いた。
終わってなかった仕事を片付け始めたのが午前１１時。
飲み物は近くに置いて作業していたが、カラッとした暑さが部屋を独占していては、すぐになくなるというものだ。扇風機ですら置くスペースがないのだ、この部屋には。
なぜ半世紀程前にこの部屋を作業部屋に選んだのか。50回程この夏をこの部屋で過ごしているというのに、部屋を移ることをしない一夏前の自分が恨めしい。
こういう時はあれだ、スポーツドリンクだ。確かまだ冷蔵庫に……
フラフラと冷蔵庫に向かって歩き出す。
だが、キッチンに着くと、私が求めるスポーツドリンクはもうコップに注がれているではないか。
少し警戒しながら、奥の方へと足を進める。
だが、警戒のけの字も必要ないらしい。
そこには、海を挟んだご近所さんのフェリシアーノとロヴィーノが居たからだ。
「幻覚？」
掠れた声で言った。お家の鍵閉めてたはずなのだけど。
「幻覚じゃないよー。ちゃんと本物だよ！」
フェリシアーノが答える。
「じゃあ、なんで家に入れてるのさ……」
そう聞くとフェリシアーノはバツの悪そうな顔で答えた。
「え……えと、それは……兄ちゃんが…………」
ロヴィーノの方を見ると、明らかに顔をそらした。
それも空いている窓の方を向きながら。
「あ、うん。なんとなく察しはついたよ。」
空いてたんですね、窓。
「ロヴィーノ」
「なっななっなんですかこのやろー」
「別に、来る前に行くって言ってくれれば良かったのに」
じー、とロヴィーノを見ながら話す。
「……それは、お前が仕事しなきゃなーとか前の会議で言ってから、３カ月くらい音信不通だったから……流石にやべえと思って…………フェリシアーノと一緒に家の前まで来たけど、チャイム何回押しても反応ねえし、本当に……倒れたかと思って……」
そこまで言ったあたりで、だんだんロヴィーノの目がうるうるとしてきた。
そういえば携帯の電源切れたままだった。
二人に悪いことをしてしまったな……
「それでお家に入っちゃったんだ……ごめん。」
「入ったは良いけどお前普通に仕事してるし、邪魔しちゃ悪いが、家に入ったのを黙っているのもお前に悪いし……」
そんなに。そんなに、心配してくれたなんて。
「ありがとう。そこまで心配してくれたなんて思わなかったよ。寧ろ、心配かけてごめんね。」
いいご近所さんを持ったものだと、改めて思った。
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_(:3 」∠)_ - 深夜テンションでここまでとは…言葉も丁寧で読みやすいです。これからも頑張ってください！応援してます。 (2018年6月4日 20時) (
レス) id: e3a3a6d8ed (このIDを非表示/違反報告)
ふるた(プロフ) - _(:3 」∠)_さん» コメントありがとうございます！深夜のテンションで作ってしまったためそんなに言っていただけると思いませんでした。これからも読んでいだけると幸いです。 (2018年6月4日 19時) (レス) id: ce22852cc5 (このIDを非表示/違反報告)
_(:3 」∠)_ - 初めまして！とても楽しく読ませていただきました。次の更新が待ち遠しいです(*^-^*)楽しみにしてます♪ (2018年6月4日 19時) (レス) id: e3a3a6d8ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふるた | 作成日時：2018年6月3日 4時
