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｢あっぶねーな！！！！！｣
鳶職をしてそうなお兄さんが窓から身を乗り出す。
｢すみません！、友達がぜんそくで、！病院まで、、｣
言い切る前に、お兄さんは状況を理解してくれたみたいで、車から降りてこっちへ来てくれる。
｢おい、兄ちゃん、病院いくぞ！もーだいじょぶだからな？｣
お兄さんは二宮をひょいと持ち上げ、後部座席に二宮を乗せる。
｢隣でさすってやって｣
俺も後部座席に乗せられ、お兄さんはアクセルを踏んだ。
｢ところで、、病院ってどーやって行くんだ？｣
今までのあの勇者ぶりはどこいった？と思いつつ、俺が道を案内する。
｢おおお、兄ちゃんすごいな、でもまって、櫻井総合病院ってでかい病院だろ？救急混んでそうだけど、、？｣
｢大丈夫です！うちの父の病院なんで何とかなります、それに、ここまで酷かったらさすがに優先してくれると思うんで！｣
｢なんだ、病院の息子か！兄ちゃん、確かに品があるなって思ってたぜ？｣
今のは褒め言葉？
こんな状況でも、俺らを安心させようと、一周まわって気が利く会話をしてくれるお兄さん。
｢兄ちゃん、もーすぐだぜ！もーちょい耐えろー｣
車をかっ飛ばすお兄さん。
運転技術がすごく、事故らずにあっという間に病院に。
お兄さんが二宮を抱え、ダッシュで正面の入口から入る。
｢坊ちゃん！｣
昔の呼び名の名残で、今もそう呼ばれ続けてる俺。
看護師さん、今は俺より二宮を、、！
｢ぜんそくで、もう1時間くらい苦しんでる！｣
状況を説明すると、いっきに動き出す看護師たち。
あっという間に処置室へ運ばれていった二宮。
汗だくのお兄さんと顔を見合わせ、安心からのため息をつく。
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年7月7日 3時
