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｢ごめん、混んでて！｣
充血した目に蒼白い顔。
みんなは気付いてないのかな、
｢おっそいぞ｣とニノの肩をブンブンと揺らして、激しめのボディタッチをする。
ぐわんぐわんと揺れるニノの表情はさっきよりも色をなくし、今にも倒れてしまいそうな感じがする。
｢ニノ、大丈夫？｣小さく聞き、顔を覗き込む。
こっちへ避難してきたニノの目は回ってて、明らかに目眩を起こしてることが分かる。
ただひたすらに焦点が合わずに揺れている瞳。
体重かけていいよ、と身を寄せれば、ずっしりとした重さが伝わる。
もう、ニノは自分の力で立てていない。
ヘリウムガスが充満したところで楽器を演奏すると音は高くなるのかと言う実験で、いよいよ、本題に入る。
オケの皆さんがそこへ入り、カメラがこそを抜いた瞬間、
ニノの頭は力が抜けて、後ろへ倒れ、膝にも力が入っておらず、カクっと折れてしまう。
一瞬の出来事に対応しきれず、一緒にしゃがみこむ形になる。
｢｢｢え？｣｣｣
メンバーは目を見開き、音を拾われないよう、静かに寄ってくる。
｢ごめん、全然気付かなかった｣
｢やだ、にの、しっかりして、、｣
｢かず、わかる？｣
腕の中で目を閉じたニノは当然反応出来なくて、医療スタッフが担架を持って走ってくる。
｢皆さんが居なくなられると不審に思われるのでそのまま生放送に参加してください｣
ついて行こうとすると制御され、冷淡に拒否られる。
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年7月7日 3時
