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｢けほけほげほっ、けほ｣
朝は大丈夫だったのに、なんだか息が切れるのが早い気がする。
花粉症、軽症でもこんなに辛いんだな。
公園で立ち止まり、息を整える。
｢けほげほっ、、げほげほげほっ｣
溢れ出す咳。
38度越えの熱。
関節痛。頭痛。悪寒。
明らかな風邪の症状。
｢ふつーに風邪かぁ、まぁ貰った薬飲んでみたら？抗生剤だし普通に効くと思うよ？｣
部屋のソファでゲホゲホしてると潤が水を持ってきてくれる。
｢ごめん、潤の方が辛いのに｣
俺の薬の2倍の量をプチプチする潤。
｢いや、風邪もキツイんだから謝んなよ｣
鼻声で慰めてくれる姿に胸が痛む。
｢あ、母さんからお粥でも作って貰おーか？｣
智が落書きした冷えピタをおでこに貼ってくれる。
｢いやいい。風邪のことも言わないで？母さん今、仕事が大変な時期だから。｣
それに、俺はあまり体調を崩さないから、なんだか恥ずかしいんだ。
｢そ。わかった。｣
あまり干渉せずに、静かに看病してくれるのが心地いい。
でも、少し恥ずかしい。
｢智、いいよ、摩ってもらわなくて。うつるよ？｣
｢別にいいよ。風邪引けば学校行かなくて済むし｣
｢風邪引いてなくたって休むくせに。もー俺ベッドいくね。｣
壁の仕切りの向こうにあるベッドルーム。
5つのベッドが複雑に上下して並んでいる。
5人の中で比較的綺麗なシーツを使ってる俺。
雲に見立ててダイブする。
少し固めで、胸から行くと咳き込んでしまう。
横を向き、目を閉じる。
冷えピタがいい感じに頭痛を緩和してくれて、スっと眠れそうな気がする。
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年6月12日 2時
