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炎天下の中、自転車を5分漕ぐ。
｢あーおかえり｣
玄関掃除をしてる雅紀に遭遇。
｢あっつーい、、っほげほっ、まさー、みずかけてー｣
｢いーよ、おいで｣
自転車を止めて、そちらへ走る俺。
少し生ぬるいけど、カラッカラに干からびた俺の肌に染みて、すっごく気持ちいい。
バイトも休みを貰ったしなんだか気が楽で、ふわふわと浮いてる感覚。
｢あ！潤帰ってきたくない？｣
｢ホントだ！スマホいじってないし、汗かいてるし、水かけてあげる？｣
｢いいねいいね！
どーせかけるならドッキリ形式でやってやりたいな！｣
｢そこの脇隠れる？挟み撃ちで両側からせめない？｣
｢そーしよ、はやく、かず！｣
｢｢じゅんちゃんおかえり〜｣｣
そう言って俺は水鉄砲、雅紀はケルヒャーのギアをガチャっと回し、シャワーに切替える。
｢ただいま〜｣
水を被った潤。
よく見るとレインコートを着てて、その右手には水鉄砲！？
｢向こうから丸見えなんだよ！｣
｢見なかったことにしてやられるのが末っ子の掟だぞ！｣
｢そーだそーだ！レインコートなんて卑怯だぞ！｣
玄関の前で激しく水をかけ合う。
｢お、ま、え、らァ”！｣
その声に手を止め、俺らはぶるっと震え上がる。
ゆっくりと耳に刺さったAirPodsを取り、濡れて力をなくした髪をそっとかきあげる“翔”。
地面にはコーン付きのアイスクリームが落ちていて、俺らは察す。俺らがかけちゃったんだ。
ミーンミンミンとセミが鳴く。
俺らは時が止まったかのように静止し、動かない。
セミが鳴く声が大きくなった瞬間、
｢だいたい、音楽聞きながら歩くのが悪いんじゃない？｣
｢音が聞こえないからこーなるんだよ｣
｢てか俺らにはアイスないわけ？｣
｢少しは周り見ろよ！｣
｢げほげほっ！けほっえほっ、｣
俺らはゴチャゴチャと翔への文句を言い出す。
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年6月12日 2時
