僕らの日々 (ページ11)

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予防薬を吸入して自転車に乗る。

喘息だと分かってから、気持ちの問題のせいかな、通学するのに50分かかるようになった。

呼吸が苦しくなりやすくなった気がして休み休み漕いでるとどうしても時間がかかってしまうんだよね。

｢最近遅いじゃん、どーしたの？｣

｢なんだ、中丸か｣

駐輪場で待ち伏せしてる中丸。

俺のこと好きかよ。

｢なんかげっそりしてんね？｣

｢あぁ、最近深夜にやってる韓ドラにハマっちゃってさ、寝不足なんだよね｣

｢録画して観ろよ汗顔色悪いよ｣

｢まじかぁ、確かにその手があったな。｣

若干ぜーぜーしてきてる胸。

誤魔化すように沢山会話をしてかき消してる。

｢急によく喋るなぁ、、、｣

中丸がボソッと呟いたその言葉にドキッとしつつも、平然を保ち、教室へ向かう。

｢ちょっとトイレで一発カマしてくるわ〜｣

｢おぉ、朝から快便で何よりだ｣

トイレに着くなりポケットに潜ませてた吸入器を口に持ってくる。

個室の便座に腰掛け、壁に凭れながら息を整える。

いつまでこれが続くんだろ。なんで俺はいっつもこうやって隠しちゃうんだろ。

誰かに頼れたら楽になれるのになんでそれが出来ないんだろ。

脳内で反省会が始まる。

うるさいうるさい、早く教室に戻ろう。