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｢ねぇ、ジャニーさん、絶対怪しまれてるって。｣
｢そうかなぁ？｣
｢ほんと、不動産屋なんだから身だしなみとか言葉遣いとか気をつけた方がいいよ？｣
｢Youに言われなくたって…｣
外から聞こえる2つの声。
足音とともに近付いてくる。
｢お待たせ致しました。では、お連れします。｣
｢こんにちは、運転手の松本です。｣
ドアが開き、そちらを向けば失明しかける。
喜多川さんの横に立っている松本という男があまりにも綺麗すぎて。
｢ここから車で10分程のところにありますので。途中寄りたい所があれば遠慮なくお申し付けくださいね。｣
真っ赤なフェラーリに乗せられた僕。
物腰柔らかな松本さんの運転で目的の物件を目指す。
ルームミラーに映る松本さんをチラチラと目が合わないように見つめる。
髪はオールバック、凛々しい目元にセクシーな唇。
黒のシャツとシンプルなネックレス。
色気が凄すぎてそろっと失神しそう。
一般人を見て中和させるか。と母を見てみると、、この人も松本さんを見つめている。
｢はぁ。｣
親子揃って呆れるぜ。とため息をつくと、
｢不安？｣
とミラー越しに目を合わせ、聞いてくる松本さん。
｢あぁ、えぇ少し。｣
モジモジしながら答えると、
｢そうだよね、なんせこんな怪しいおじさんに怪しげな物件紹介されてるんだもんね。｣
凛々しい目がニコッと三日月のように細くなる。
想像以上に柔らかく優しいその笑顔に思わずドキッとする。
｢俺もね、今から行くとこの住人なんだけど、菊池さんと同じような感じで紹介されてさ。最初は怪しすぎてめちゃくちゃ拒否ってたからね。｣
｢え、じゃあ、？｣
｢そう、俺はただの住人なの。不動産屋じゃないのよ。たまたま今日お休み頂いてて、こっち遊びきたら送迎頼まれたワケ。｣
少しほっとした。
こんなイケメンを不動産屋に閉じ込めていていいはずがないもん。
｢到着です。｣
突如現れた森林。
少し坂になっている道を通ると、写真で見たのよりも大きい家が。
｢車停めて来るので先に中に入っててくださいね！｣
門をくぐり、少し歩いて玄関にたどり着く。
ジブリの世界に来たかのような不思議な感覚だった。
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2024年1月6日 16時
