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｢おーのさん｣
正午を少し過ぎた頃。
大野さんは絵を描き終え、片付けを始めていた。
そこに、幽霊のように白い二宮さんが。
｢にのっ、｣
振り向いた大野さんは、手を止め、すぐさま二宮さんに駆け寄る。
｢寝れなかった？｣
｢ぅん、｣
こんなにキビキビした大野さんはレア。
二宮さんの背中を支え、声をかけながらリビングの方へと向かっていった。
何となく着いていっちゃダメな雰囲気で、僕はここで待つことに。
｢あれ、ふーちゃんまだここに居たの？
日焼けしちゃうんじゃない？｣
10分たった頃に大野さんが戻ってきた。
｢あの、｣
｢ん？｣
さっきみたいに焦った様子はなく、ゆったりと片付けをする大野さん。
｢二宮さん体調悪いんですか？｣
｢うん。寝れなかったみたいでね。真っ白だったでしょ？｣
｢はい、人間ってあそこまで白くなるんだってくらいに。｣
｢ね。にのの顔白すぎて太陽の光反射してた。｣
全て大野さんの部屋に運び込み、お片付けは終了。
｢お腹空いた？｣
2時間前に食べたはずなのにお腹が鳴る。
｢育ち盛りなもんで…｣
｢まだまだ賞味期限切れの沢山あるから食べて。
おいらも腹減ったし一緒にリビング行こ。｣
並んで階段を下り、洗面所で並んで手を洗ってからリビングに行く。
｢あ、にの寝てるから、起こさないように気をつけて｣
そう言って、二宮さんの眠るソファの付近に僕を誘導する。
ふたりで静か〜にパンを頬張る。
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2024年1月6日 16時
