選ばれし者たちのシェアハウス (ページ14)

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中島に連れられ、特別棟の隅の部屋に来た僕。

夕日が強く差し込む。

埃が日に照らされて浮いている感じがとても幻想的。

｢さて、松本先生の卒アル探しますか。｣

珍しく中島が、素な感じのワクワクした表情を見せる。

それを見て僕はなんだか嬉しくなる。

｢卒アルはここにはないよ。｣

何者かの気配を感じてから声を聞くまでに約1秒。

僕の心拍数は急上昇。

ゆっくりと後ろを振り向くと、

｢ち、知念さん！｣

知念さんは一般科の3年生。

生徒会に所属してることは知ってたんだけど、こうして資料抱えてる姿見るとカッコイイなと思っちゃう。

｢松本せんせーの卒アルは松本せんせーが持ってるよ。
毎年見に来る人が多くてさ、せんせーの代の卒アルだけ美術準備室にあんの。｣

｢え、それすごいですね、｣

｢みたい？｣

｢｢見たいです！見れるんですか？｣｣

僕らは優しい知念さんのあとに続いて美術準備室に立ち入る。

｢せんせー、卒アル見せてくださいな｣

4畳くらいの狭い部屋。

知念さんが声をかけると、先生が作業を中断し、眼鏡を外しながらこっちを向く。

それはまるでスローモーション。

｢松本さん、！｣

彼はウチの松本さんだった。