5 ページ20
｢気分どうかな？｣
おじいちゃん先生が様子を見に来る。
血圧測ってる最中なのに話しかけてきて、結局その時の血圧計にはerrorと表示される。
｢僕どーなったんですか？｣
｢途中まで歩いてたんだけど、歩いてる途中に意識飛んで、看護師たち2人でベッドまで運んだんさ。そっから30秒程度ずっと意識がなくて血圧も脈もかなり低かったよ。けど点滴見せたらだいぶ意識はっきりしてきてな笑｣
今思い返せば、たしかに自分でベッドの上に横たわった記憶がない。
意識を失うってあんな感覚なのか。
新しい発見がある。
｢今度からは寝て採血してもらうんだよ？注射ももちろんね？｣
さすがおじいちゃん先生。
同じことを何度も言ってくる。
医者でも年老いるとボケるのか。とどこか残念な気持ちになる。
｢仕事し始めたらそればっかりになって心が持たないんだよ。だから仕事の他に趣味を見つけるのが結構大切なんだよ。君には何かある？｣
｢うーん…先生はなんなんですか？｣
｢私は登山だね。でも、ほんとになんでもいいんだよ？ちっちゃなことでもね！｣
じいちゃんの知恵袋ってな感じで色々とお話を聞かされる僕。
まぁ、為になるし面白いからいいんだけどね。
そんなこんなしているうちに、兄ちゃんの声が聞こえてきて。
｢和｣
僕を見るその顔は数年前、学校で体調を崩して早退することになった時に迎えに来てくれたあの顔と全く変わっていない。
｢んふふ笑｣
思わず笑ってしまう。
｢＿＿＿＿＿＿＿ので寝たまま受けてくださいね。血液検査の結果は1週間後に出ますんでね。｣
最後に診察室で改めて説明を聞いて、ようやくかえることができる。
｢…翔にぃには言わないでね？｣
｢え？、なんで？｣
｢だって、車で行くなって強く言われてたし。それを無視して来て、結果こーなってるから。｣
｢あぁ笑
たしかにね。このこと言ったら絶対噴火するね。
｢だからあんだけ言ったのに！｣ってね笑｣
｢そうそう笑｣
やっぱり智にぃは居心地がいい。
基本的に怒ったりしないからね。
正直、初めてのことでこんなに迷惑かけて申し訳ないし不安に思ってたから、こうやって暖かく接してくれるのはありがたい。
｢はーい、発進するよー｣
この声で肩の力が抜ける。
｢家着くまで寝てていいよ｣
ブランケットをかけて貰った僕は、ゆっくりと目を閉じた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 243人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
賞味期限(プロフ) - ぴんさん» 嬉しいですん‼️私もたくさんリクエストいただけて、どんな風に描こうかなってウキウキしてます🐒容量オーバーなっちゃうんで次のお話からは14に移る予定です❕今後もどうぞよろしくお願いします🙌🏻 (2月15日 1時) (
レス) id: 121be87201 (このIDを非表示/違反報告)
ぴん(プロフ) - わわ！いっぱい増えてる〜！！嬉しいです！更新ありがとうございます！！まさかまさか、お題箱？を設けるの頭良！！！って思いました😂リクエストいっぱい来てるっぽくてなんだか私もウキウキしてます🫶 (2月15日 0時) (レス) id: 218c45e5e6 (このIDを非表示/違反報告)
賞味期限(プロフ) - ちえさんさん» ほんとですよね🥲夢のまた夢のお話ですがいつか実現する日が来るのを願ってます🤍 (2月13日 0時) (レス) id: 121be87201 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - 嵐とよにの の夢のコラボ、ありがとうございます！リアルでも実現して欲しいですよね。真冬の停電は怖いことだらけだけど、無事に乗り切ってくれますように‐ (2月12日 22時) (レス) @page36 id: 9add11b86c (このIDを非表示/違反報告)
賞味期限(プロフ) - ちえさんさん» ありがとうございます！いや、ほんとにそうなんですよ！もう最悪｢飲みに行ったよ〜｣とかでいいんでなにか5人に関しての情報が欲しいとこですね🥺 (2月11日 2時) (レス) id: 121be87201 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：賞味期限 | 作成日時：2023年10月15日 23時
