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二宮side
肩を抱かれても覚束無い足取りの僕。
改札を出たんだろう。ザワザワ音が無くなった。
その途端両手で持ち上げられ、運ばれる。
車に乗せられ、再び座る。
？｢急いで家向かって｣
男子が運転手さんにそう告げる。
？｢二宮、俺だよ俺。櫻井｣
和｢さくら、、けほけほげほっ｣
翔｢お前喘息持ち？吸入器とかないの？｣
勝手にカバンを漁り始める櫻井。
翔｢ほい、｣
吸入器を手渡される。
発作が治まったかと思えば途端にだるくなって横に倒れる身体。
翔｢いいよ凭れてて。｣
低い落ち着いた声が聞こえて、安心して凭れかかる。
翔｢おはよ。だいじょぶか？｣
いつの間にか寝てたみたいで、目を開けると櫻井のドアップ。
見渡すと広い部屋。
僕が寝ているベッドはお城にありそうな大きなベッド。
櫻井が支えながら体を起こしてくれる。
和｢なんで喘息って分かったの｣
翔｢教科書に出てくるから。｣
そう言いながら水を飲ませてくれる。
翔｢あ、ちなみにこれはネットで調べた。吸入した後ってうがいか水飲むかしないとなんだろ？｣
額に浮かんだ汗もサッと拭き取られる。
翔｢ごめん。二宮が頻繁に休む理由これだろ？なのにただのサボりだと思ってあんな酷いこと言って。｣
和｢べついいって。けほけほ…言わなかった俺も俺だし。｣
翔｢まぁそーだな。｣
和｢え？っけほけほっけほ｣
櫻井、そこはそんなことないよとか言うとこだろ。
翔｢隠しててもいいことないよ。｣
あぁ言ったのはそーゆーことね。
和｢けほっ、、櫻井もさ、結子好きなの隠しててもいい事ないよ｣
そう言うと、
翔｢おまっ！｣
頭をグリグリしてくる櫻井。グリグリって言っても痛くないほどのグリグリ。
和｢俺もっ、、けほけほ、ファンクラブっ、、入ってる｣
僕がそう言うと手が止まる。
翔｢なんでそれ早く言わないんだよ！｣
和｢だって、あの時俺も好きって言おうとしたのに黙れって言うから。｣
翔｢そー、、だっけ？？？でもやっぱ結子っていいよなー。笑った時の口角の上がり具合とか最高に良いし──｣
突然語り出す櫻井。
翔｢俺、お前のことニノって呼んでいい？｣
上目遣いで聞いてくる櫻井。
こいつやっぱこーゆーとこ可愛いな。って笑う僕。
この広い部屋に僕らの笑い声が響いた。
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2023年1月28日 0時
