動いたここじゃ始まらないから (ページ4)

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二宮side

医｢栄養状態も良いですし心配いりませんよ。ただ…｣

心臓の他に肺にも先天性の病気を持ってる僕。

この前入院した時、呼吸器の回復に時間がかかったのも今日の突然の喘息発作もその病気が関わってるんじゃないかって言われた。

症例が少なくて確信を持てないらしい。だからあくまでも予想って形で話してる先生。

医｢暫くは小発作が続くと思います。お薬追加しておきますんでしっかりと服薬してくださいね。それと、今日は学校には行かずにお家でゆっくり休んでくださいね。｣

母｢ありがとうございました｣

ふたりで診察室を後にする。

母｢ごめんね、学校行かせられなくて｣

待合室のベンチ、母さんが制服を着た僕を見てそう言う。

学校行けないのは薄々分かってた。

和｢着る服がなかったから制服着てきただけだよ｣

思いやりの気持ちを持って言ったつもりが、

母｢ごめんね、外に行かせられなくて。｣

また謝らせることになる。

入院ばっかで、無闇に人混みの中を行っては行けない僕を可哀想に思ってそう言う母さん。

慰めても慰めてもそれは逆に傷つけることになっちゃってもう何も言えなくなる。