動いたここじゃ始まらないから (ページ15)

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二宮side

母｢和、気付いてやれなくてごめんね。先生から聞いたわよ。翔くんと生徒会長さんに助けられたみたいね。｣

目を覚ました僕にすぐさま話しかける母さん。

和｢翔くんって(笑)それに生徒会長って…(笑)まだなってないけどね。(笑)｣

バイタルチェックを終えてから再び話し出す。

母｢生徒会長さんとは親しいの？｣

和｢ん、、まぁ。｣

母｢お礼したいわ。さっき翔くんとJくんはいたんだけど、生徒会長さん用事で帰っちゃったみたいで。｣

深堀されると危ないと思い、こんなだるい時でも正常に働く脳をフル回転。

和｢J来てたんだ。｣

母｢和の手握っててびっくりしたわよ。それに翔くんも反対の手握ってるし。｣

和｢え？｣

母｢それに前髪で遊ばれてたし(笑)｣

和｢どーゆこと？｣

母｢Jくんと翔くんが前髪の分け目で論争してたわよ。俺は左に流した方がいい！俺は右って(笑)｣

Jさん、翔さん…僕、今聞いちゃいけないようなこと聞いたよ。

もし明日お見舞いにこられたらどんな顔すればいいか分からないよ？

そんなことを考えられているのはほんの一瞬だった。

胃潰瘍で大量に吐血した僕は輸血をせざるを得なくなった。

他人の血液に僕の身体は過剰に反応して高熱を叩き出す。

息をすることさえももう苦しくて、誰かがお見舞いに来てくれたのは分かったけど、なんの反応も出来なかった。