【世界一暖かい病室】 ページ20
二宮side
？｢ったぁー！！｣
目の人が急に崩れ落ちる。
僕は椅子からサッと立ち上がり、駆けつける。
和｢だいじょぶですか？｣
？｢だいじょぶだいじょぶ(笑)松葉杖初めてで…｣
転んだ彼はへへへと笑って僕を見る。
看｢大野さん！大丈夫ですか？｣
看護師さんが駆け寄る。
大野さんと呼ばれる君は｢だいじょぶだいじょぶ｣と笑ってみせる。
？｢俺大野智。助けてくれてありがとう！｣
和｢二宮和也です。どういたしまして｣
そう言うと車椅子に乗せられて帰っていく。
その車椅子、俺が乗って来たもんなんだけど…(笑)
まぁいい。病室はすぐそこだし。
僕は自分の足で病室に戻る。
最近、心臓の調子が悪くなって入院した僕。
発作は出ないものの少し息苦しい感じは常にある。
でも、久々に歩いたらそうでも無い。
しかも、点滴もずっと入れっぱなしなわけじゃないし、心電図もついてないし、呼吸器もつけてない。
これ退院していいやつじゃない？と思い始める僕。
コンコン
？｢しつれーしまーす｣
することもなくただボケーッとしてると誰かが入ってくる。
和｢大野さん、？｣
目の前に現れたのは、車椅子に乗った大野さん。
智｢やぁ！二宮くん！｣
和｢や、やぁ｣
智｢言うにも言えなくて〜｣
車椅子を返しに来てくれた大野さん。
話し始めて30分。
同じ高校の2年生だということ、部活で作品を制作している時にハシゴから落ちて骨折してしまったということ、骨折したては2本折れてたということ、、、
打ち解けるのが早く、色んな話を聞かせてもらった。
和｢コンコンはトイレよ？ふつー、病室とか職員室とかはコンコンコンだから！｣
智｢ニノに言われなかったら一生トイレノックだったわー(笑)｣
いつの間にか呼び名はニノになってるし…(笑)
前から友達だったかと疑うくらい仲良くなった。
2人でのんびりと話してるうち日が沈み初めて、空がオレンジ色になる。
智｢まってー、松葉杖置いてきちゃった｣
和｢何してんですか(笑)｣
智｢ニノ肩貸して〜｣
言われるがままに肩を貸し、大野さんを病室へ送る。
智｢ニノありがと〜！｣
子供みたいに手を振る大野さん。
僕も手を振り返す。
ふと胸に手を当てる。
規則正しく動く心臓。
苦しさを感じない胸。
本当に大丈夫な気がしてきて油断してしまった。
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2023年1月28日 0時
