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｢しんｯ、、けほげほっ、、｣
声をかけて間もなく、ニノがピンクの吐瀉物をマスクの中に広げた。
｢ごめんね、ちょっと離れててね。｣
お医者さんにそう言われ、後ろにいた看護師さんに支えられながら少し離れた場所に移動する俺。
ニノは苦しそうに胸に手を当て、苦しみから逃れようと酸素マスクまで外そうと、それに手をかける。
ニノの細い手に点滴が入り、細い管が、ニノの喉に侵入して、ズルズルと音を立てる。
新しい酸素マスクをつけてもらったニノ。
呼吸はまだ苦しそうで、さっきみたいに酸素マスクに手が伸びてる。
けど、｢ごめんね、苦しいけど外さないでね｣と、簡単に阻止されてしまう。
心電図やエコーなど、病院にあるような機械は全くなく、心臓の状態を把握するために、お医者さんがずっとニノの心音を聞いている。
胸の方を大きく開けられ、肌が思い切り露出されている。
鎖骨がくっきり浮き出てて、喉元がものすごい速さで陥没している。
肋骨もその激しい呼吸で浮き出たり戻ったりで、ものすごく心配になる。
前までは少しお腹が出ていたはずなのに、膨らみが全くない。
｢キミ、ご飯は？｣
｢お医者さんこそ。｣
みんながご飯を食べてる中、俺はこの部屋に残る。
お医者さんもずっとニノにつきっきり。
｢今、体温が安定しなくてね。この感じだと、38度近くまで上がっちゃってるかな。けど、末端は冷えたまま。握ってあげて？｣
ニノの手はさっきよりあったかい。
けど、冷たい。
本当に熱があるのかなと額に手を当てれば、確かに熱が伝わってくる。
｢雅紀、次は俺が見てるから。少しでも食べてきな？雅紀が倒れたらニノ、悲しんじゃうよ。｣
早く治れっておまじないをしながら手を握ってた。そしたら、いつの間にか俊介が戻ってて。
俊介に説得され、ご飯を食べることに。
｢これなら食えるんじゃない？｣
夕飯はバイキング。だったんだけど、どれも見ただけで胃もたれしちゃって、ただ座るだけの状態になっていた俺。
そんな所に、キングというあだ名を持つ、学年1の陽キャ、松本潤が来て、美味しそうなゼリーを差し出してくる。
｢これ食べて少しお腹慣らそう？そしたら他のも食えると思うから。｣
初めて関わるのに、こんなに優しくしてくれた彼。
ニノのことも発見してくれた彼。
ありがたい気持ちで胸がいっぱいで、いつの間にか泣いていた。
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賞味期限(プロフ) - ちえさんさん» ありがとうございます🥺 (2023年2月10日 21時) (
レス) id: e5602ed7e0 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - こういう話、私も弱いんです( ；∀；)。和くんが生きてて良かったです。ありがとうございました。 (2023年1月4日 18時) (レス) @page35 id: 94c3edab09 (このIDを非表示/違反報告)
賞味期限(プロフ) - ちえさんさん» こちらこそご愛読ありがとうございます！これからもどうぞよろしくお願いします！リクエストなども絶賛募集中なので是非！ (2022年12月28日 23時) (レス) id: e5602ed7e0 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - ありがとうございました。キミがいた3週間シリーズが好きなので嬉しかったです。 (2022年12月27日 18時) (レス) @page7 id: 94c3edab09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年12月25日 22時
