5 ページ47
苦しくて、苦しくて、痛い。
身体が生きるのを諦めたように、雪の上へ倒れ込んだはずが、誰かの体温を感じることが出来てる。
そこで1度楽になったんだけど、再びあの苦しさが僕を苦しめる。
｢にのっ、にの！なにも、病気ないよね？｣
冷えきった手に、太陽のように暖かいなにかが覆い被さる。
耳元では太陽のようにポカポカした人の声。
半泣き状態で、温かさが半減。
｢しんｯ、、けほげほっ、、｣
“今まで言わなくてごめんね。”
“迷惑かけてごめんね。”
“助けて。”
そんな気持ちで、早く白状しようと口を開いたはずなのに、出てくるのは激しい咳。
それは止まることを知らなくて、呼吸困難になりかけてる。
目が覚めた時にはもうすでに被せられていた酸素マスク。
つけていても、何の役にも立たないくらい苦しい。
凍ったみたいに関節が動かない手。
無理やり胸元に持ってきて、苦しさを描き消そうと、そこをギュッとおさえる。
太陽のようなその手からも手を引き、何の役にも立たない酸素マスクに手をかける。
外そうとする前に水っぽい痰がひとつ、でたのがわかる。
それを機に周りが騒がしくなる。
｢ネオフィリンくらいならあるだろ？すぐに用意！｣
｢ちょっとチクッとしますよ。｣
｢吸引もはやく！｣
｢先生、二宮さんの主治医と連絡取れました、！｣
俺と俊介、櫻井翔、大野智、岡田准一、松本潤、生田斗真の7人は点呼後の反省会などには参加しないことになった。
ホテルの1階の隅にある、教室2つ分くらいの広い部屋の中、ニノは大きいベッドに横たわっていて、その周りを大勢の大人が囲ってる。
あのアナウンスで、お医者さんから医療事務の人まで幅広い医療系の職種の人達が来た。
心臓専門のお医者さんがリーダーとなり、他のお医者さんや、看護師さんに指示を出し、医療事務の人なんかは色んなところに電話をかけて、ニノを病院に連れていこうとしてる。
生徒たちに指示をし終えた先生たちも合流して、みんなでニノを見守る。
｢キミ、ちょっとおいで？｣
緊迫した状況の中、リーダーのお医者さんが俺を手招きする。
｢末端が冷えてるから、握って温めてあげて。｣
ニノの手を握れば、想像以上に冷たくて、よく見たら紫がかってる。
｢にのっ、にの！なにも、病気ないよね？｣
急に涙腺が破壊し、ニノの顔が見えないほど涙が出てくる。
死んじゃうんじゃ、、って思って。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 172人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
賞味期限(プロフ) - ちえさんさん» ありがとうございます🥺 (2023年2月10日 21時) (
レス) id: e5602ed7e0 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - こういう話、私も弱いんです( ；∀；)。和くんが生きてて良かったです。ありがとうございました。 (2023年1月4日 18時) (レス) @page35 id: 94c3edab09 (このIDを非表示/違反報告)
賞味期限(プロフ) - ちえさんさん» こちらこそご愛読ありがとうございます！これからもどうぞよろしくお願いします！リクエストなども絶賛募集中なので是非！ (2022年12月28日 23時) (レス) id: e5602ed7e0 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - ありがとうございました。キミがいた3週間シリーズが好きなので嬉しかったです。 (2022年12月27日 18時) (レス) @page7 id: 94c3edab09 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年12月25日 22時
