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｢ねぇ、これって、数量限定のTシャツだよね？？？｣
｢あ、うん｣
玄関に行くと、黄色の帽子をかぶった元気な男の子が僕に近付いてくる。
とあるゲームソフトの名前が刻まれた僕のTシャツを指さし、キラキラした目で問いかけてくる。
これは、急に入院が決まった日に、母ちゃんが適当に買ってきた服。
｢なに？欲しいの？｣
｢え、いや、そうじゃないけど、かっこいいなって｣
｢ふふっ、素直じゃないな……｣
｢ん？｣
｢いや、なんでもないよ。あ、なんか、マミーに呼ばれてるよ？行かなくていいの？｣
｢あ、うん、行ってくるね！｣
生意気じゃない可愛い小学生。
医者の家系なだけあって、躾がちゃんとされていやがるぜ。
｢和、これから海行くんだぜ？それ、寝巻きだろ？笑｣
｢あっ、そうだわ。完全に忘れてた、着替えてくる｣
腐れ縁のコイツ、櫻井翔。
梅雨に入院した時に着ていた服だろって、指をさして笑ってくる。
変に記憶力がいいこいつにはかなわないぜ。(なにが？)
｢＿＿＿＿ぼくも行きたい！僕も行きたい！｣
｢だめよ。模試でほぼ最下位だったじゃないの！｣
コの字型に建てられたこの家。
庭を挟んだ向こう側にある部屋の窓が開いている。
そこからマミーと涼真の声。
マミーの声から焦りだったりプレッシャーだったりが感じられる。
きっと、涼真を医者にするために今から勉強を頑張らせようと必死なんだろう。
しばらくすると、涼真の鳴き声が聞こえてきて、窓の向こうのマミーは頭を抱えてため息をついている。
｢和？だいじょぶ？体調悪い？｣
僕の戻りが遅いのを心配して様子を見に来た翔。
｢悪くないよ、ただ疲れてぼーっとしちゃっててさ。すぐ着替えるわ。｣
｢はいよ。あ、風もあるし、身体冷えるとアレだから、カーディガン着れば？｣
｢あ、うん。そうする。｣
涼真の鳴き声が翔に聞こえないよう、少し大きめの声で喋り、颯爽とこの部屋を出た。
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賞味期限(プロフ) - ちえさんさん» ありがとうございます🥺 (2023年2月10日 21時) (
レス) id: e5602ed7e0 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - こういう話、私も弱いんです( ；∀；)。和くんが生きてて良かったです。ありがとうございました。 (2023年1月4日 18時) (レス) @page35 id: 94c3edab09 (このIDを非表示/違反報告)
賞味期限(プロフ) - ちえさんさん» こちらこそご愛読ありがとうございます！これからもどうぞよろしくお願いします！リクエストなども絶賛募集中なので是非！ (2022年12月28日 23時) (レス) id: e5602ed7e0 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - ありがとうございました。キミがいた3週間シリーズが好きなので嬉しかったです。 (2022年12月27日 18時) (レス) @page7 id: 94c3edab09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年12月25日 22時
