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｢お前の手、熱すぎ。保健室行くぞ。｣
最終的に、保健室に来てしまった僕。
さすがに松本潤には逆らえず、首を縦に振り、会いたくなかった結子とご対面。
熱のせいで涙の分泌量が多く、目の前が霞んで、結子の顔が見えない。
｢わっ、40.6もあるわよ？この様子じゃ朝から熱あったんじゃないの？｣
結子の困った声が微かに聞こえてくる。
｢松本くん、二宮くんの荷物まとめて持ってきてくれないかな？｣
｢コイツ二宮って言うんすか？どこのクラス？｣
｢に、2組だけど、知らないのに連れてきてくれたの？｣
｢そりゃ人が倒れてたら助けますわ。俺のことなんだと思ってんすか？｣
2人の会話量が多いのに若干の嫉妬を感じつつも、遠のく意識になんとか踏ん張り、寝顔を見せないように努力した。
なんだけど、気付いた時には点滴に繋がれていて、酸素マスクなんかも繋がってる。
｢和、分かる？母さんよ？｣
力加減が馬鹿な母ちゃんにべしべし叩かれ、意識が浮上する。
｢痛いってば！げほっごほっ、、｣
｢あー、ごめんごめん。
それより肺炎だってよ。ごめんね、無理させちゃって。｣
軽く謝ったついでにポロッと重大なことを言う母ちゃん。
｢え、まって、肺炎なの？｣
｢うん。でも、あまりにも急激に悪化したからちょっと怪しいってなってね、肺炎の治療しながら検査沢山するみたい。｣
｢そ、そうなんだ。
それ、今言う？目覚めたばかりなんですけど…(小声)｣
それからしばらくして、僕の病気が見つかった。
『一型糖尿病』だそうだ。
原因は恐らく、1か月前の3日間にわたる高熱で膵臓の細胞が破壊されたんだろう、、とのこと。
だから肺炎も合併症みたいな形で急に発症し急激に悪化しちゃったみたい。
そう診断された日から、一気に何種類ものお薬を出され、飲んだり注射したりするように。
あまりにも急にそんなことになってしまったから、精神的に辛くて、インスリン注射を打ちたくないがために、食事を取らない日が続いて、低血糖になって怒られたりもした。
病気で苦しんでるのに、気持ちを理解しようとせずに怒ってくるのにも疲れ、死んでしまいたいと涙を流した日もあった。
けど、そんな時に送られてくる、雅紀からのエール動画。
馬鹿っぽくて面白くて、温かみのあるその動画。
退院まで逃げ出さずに頑張ってみるか。という気持ちにもさせてくれたモノだった。
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年10月23日 21時
