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｢あ、こんにちは〜｣
｢こんにちは！二宮さん、今のところどこにも異常がなく、順調に回復に向かっていますよ！今日は調子がいいみたいで漫画を読んでらっしゃいますよ！｣
昨日は個人の仕事があってその撮影や取材で病院に顔を出せなかった。
だからニノに会うのはなんだか久々な気がして、少し緊張した。
｢にの、！おはよ！｣
抑えきれない胸の高鳴りに語尾が跳ね上がり、文字に起こすと完全にビックリマークがついちゃってるよって感じになる。
｢お、おはようございます(？)｣
なんだけど、ニノはなんだか様子がおかしくて、不思議そうな顔でオイラを見つめる。
漫画も閉じて、姿勢も正したりするし、ちょっと違和感。
だけど、ニノのことだから、オイラを不安にさせる遊びをしようと企んでるんじゃないかって思って、一瞬吹き出した変な汗もすぐに引っ込む。
｢す、すみません、お名前を伺ってもよろしいでしょうか？｣
“演技の無駄遣い”という言葉が良く似合う、お見事な演技でオイラにそう対応するニノ。
しょうがなくこの遊びに乗ってやるかと、｢大野智です、ご無沙汰しております〜｣と挨拶を交わす。
｢大野さんですね、。ごめんなさい、私、頭を打ってしまったので記憶が一部抜けてるのかもです。
失礼ですが、どこの会社の方か伺っても？｣
息を飲むほどリアルな表情でそう聞いてくるニノ。
｢ジャニーズ事務所の者です〜｣
ワンテンポ遅れてそう言うと、“ジャニーズとは？”という顔を浮かべながらも愛想笑いをして、｢今日はいい天気ですね｣なんて話しかけてくる。
｢で、どー？頭痛は消えた？｣
ちょっと真面目に話が聞きたいなと思って、演技をやめてイスに腰掛ける。
｢はい、お陰様で順調に回復しております。｣
｢ニノ、もうそれ終わりにしよ(笑)
昨日は何してたの？ごめんね、昨日来れなくてさ。｣
そう言ったんだけど、ニノは懲りずに敬語を使ったままで、距離のある感じで会話をする。
｢｢｢ニノ〜｣｣｣
しかも、メンバーが入ってきた時もずっとそれを続けていて、メンバーにもひとりずつ名前と会社名を聞いてる。
松潤にするのはさすがに抵抗があるんじゃないか？と思ったんだけど、全くそんな感じはないみたいで、真剣な顔して演技をする。
｢二宮さん、自己紹介して貰ってもいいですか？｣
すると、意外にも松潤はそれに乗ってくれたみたいで、演技を始める。
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年10月23日 21時
