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顔が見えるよう、回り込むと、和は真っ青な顔で一点を見つめ、泡を吹きながら、ただひたすらに痙攣する。
はじめて見る光景に鳥肌が立ち、血の気が引く。
陸に上げられた魚のようにビクビクとする和は、和じゃなかった。
｢んっ、、んっ、、んっ、、げほっ、、｣
痙攣している時に、口から出た分泌物が喉に戻ったんだろう。
和は痙攣しながら咳をする。
怖くて何も出来なかったけど、それを言い訳に放って置くわけには行かない。
｢ごめんな、、動かすよ｣
和の頭の向きを横にし、窒息しないよう、体勢を整える。
その間に、スマホを取りだし、119を要請。
旅館内に入り込んできた救急隊員はすぐに酸素の投与を始め、事情聴取的なことを始める。
その後、やっと、救急車に乗せられた和。
発作は治まったようだけど、疲れたのか意識を失ったのか分からないが、目を閉じて、。
未だに戻らない顔色から、死んでしまうのでは。と恐怖を感じ、和のお母さんが勤務する病院に電話をかける。
｢和也の友達の櫻井翔です。実は、2人で別府に来てまして…。｣
｢別府っ？ですか？、、それで、何かあったんですか？｣
｢はい、、実は、和也が痙攣発作を起こしまして、今、救急車で運ばれてる最中なんですけど。｣
｢……救急車を呼んでくれてありがとう、翔くん。
あのね、和はドラベ症候群っていう、、分かりやすく言ったら、てんかん病気なの。
それを救急隊員さんに伝えてもらえる？｣
｢は、はいっ、、｣
和のお母さんは、俺を叱ることなく、救急車を読んだことに対して感謝してくれ、優しい口調で何を伝えるべきかを話してくれる。
息子がこんな状態なのにも関わらず、冷静で、思いやりのある彼女は、看護師としても母親としても、人としても完璧だ。
｢…こわくなかった？｣
｢正直こわかったです。始めてみたし、どうしていいか分からなくて。｣
｢そうだよね。でも、ありがとね。放置しないでいてくれて。
今から別府に向かうから、和のことをよろしくね。｣
強くたくましい声を聞き、元気づけられたところで、病院に到着。
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年10月23日 21時
