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｢でね、左冠動脈肺動脈起始症という病気があることが分かりました。｣
｢これはね、本来大動脈に繋がるはずの血管が肺動脈に繋がっちゃってて、それを手術で戻してあげないといけないんだ。｣
言ってたとおり、先生が優しくゆっくり説明してくれる。
なんだけど、こればっかりは動揺せざるをえない内容でね、、
｢和也くん、気分悪くなっちゃったかな？｣
｢はい、、｣
｢よし、じゃ、ベッドに横になろっか。
ごめんね、話を進めるのが早かったね。少し休憩しようか。｣
患者さんの様子に敏感な先生は、和の不調にすぐ気付いてくれ、ベッドに寝かせてくれる。
りんごジュースを用意してもらったり、話を聞いて貰えたりして、たくさんの優しさに触れた和。
少し時間はかかったけど、手術の日程も決まり、希望が見えてきた。
*
｢和ね、心臓の病気だったんだ。
この病気を患ってる大半の人だったらもっと小さいうちに見つかるんだけど、和はずっと見つからないままでね。｣
家に帰り、リビングで今日あった話をする。
みんな暗い顔をし、話を聞くんだけど、、
ポジティブが売りの三男、雅紀が、
｢病気、見つかって良かったね。｣
と、ぎこちない笑顔ではあるが、暖かい笑みを浮かべて一言いう。
｢そうだね。
何事も根本的なところから攻略していかないと。そのためには弱点を見つけるのが重要で。つまり、病気が見つかったことでより正確にその病気への治療が出来る。おめでとう、和。｣
｢その先生、絶対腕のいい医者だから大丈夫だよ！だって、和の難しい病気見つけたんだよ？だから、そのお医者さんと、俺らと一緒に病気倒そうな！｣
それに続いて次男も五男も声をかけ、和を愛おしそうに見つめる。
暑苦しいほどの視線を感じた和は顔を赤らめ、蒼白かった顔に血色が戻り始めた。
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年10月23日 21時
