Nのカルテ (ページ11)

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｢紹介状を書きますのでそちらで診てもらってくださいね。｣

先生によると、冠動脈が太いとかどーとかで難しい病気かもとの事。

和を怖がらせないためにも、僕だけにその話をしてくれ、後日、紹介された病院に。

そこでは造影ＣＴというものを。

その検査もやけに長い気がしたけど、検査結果が出るまでには1週間以上もあるから、どーだったのか不安なまま日々を過ごした。

なんだけど、数日後、心臓カテーテル検査をしたいとの連絡が。

2泊3日の入院をねじ込み、検査を。

そして、検査結果を聞きに行く数日前、再び家に1本の電話がかかってきた。

その電話の内容は、“生まれつきの病気が見つかったこと”、“手術が必要なこと”。

｢当日は弟さんも一緒に来られますか？｣

｢弟さんへの告知はお兄様がなさいますか、それとも医師から直接…？｣

急な知らせに頭が真っ白になる僕を気遣い、ゆっくりゆっくりと時間をかけて話してくれる電話の向こうの人。

｢弟は、自分の病気のことをちゃんと知っておきたいと言うはずです。なので、お医者さんの方からお願いします。｣

｢かしこまりました。弟さんはまだ中学生ということで、優しくわかりやすいよう、、そして、不安を感じさせないよう配慮しますのでご安心ください。では。｣

電話が切れた途端に、向こう側から聞こえてくる和の元気な声。

元気そうに過ごしてい彼に、重大な病気が、、しかも生まれた時からあったとは。