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翔と歩いてると、聞き覚えのある咳が聞こえてきて、焦って走る。
そうすれば、そこには、膝に手を付きながらげほげほと咳き込む双子の兄で、周りには猫が沢山集まっていて、心配そうに和の足元をうろついてる。
手にかかっている袋。早く薬を渡してあげようと思って、そのなかを覗けば、生魚。
｢っ、、お前は馬鹿か？アレルギー舐めんじゃねぇよ。こんなとこ来て、死ぬ気か？｣
翔が言ってた、魚をあげてた少年が和だということがわかると、すぐに頭に血が上り、爆発する。
｢潤、もしかして弟？とりあえず叱る前に助けてあげるのが先なんじゃねーの？｣
正気を失った俺に、翔は冷静な言葉をぶつけ、｢救急車呼んでいい？｣とスマホを取り出す。
おかげで俺は正気をとりもどし、和のカバンを漁る。
｢かずっ、吸って？｣
カバンから吸入器を取りだし、和に渡すんだけど、なかなか吸おうとしなくて、
｢かず、どーしたの？吸えない？｣
｢ちがっ、、ぇほげほっ、ﾋｭ、使い切ったっげほげほっ、、｣
彼の口から衝撃のひと言。
カウンターを確認すれば“0”と表示されてて、思わず目を見開く。
｢どーしよ、やっぱ、救急車かな、、、でも、呼んだことないし怖い。｣
｢だいじょぶ、俺もいるから。呼ぶよ？｣
吸入器が使えないとなると、いっきに不安が襲いかかる。
震える声で相談すれば、翔が電話をかけようとしてくれて。
でも、その必要はなかったよう。
｢潤！乗せて！｣
仕事帰りの雅にぃが丁度よく車で通り掛かり、その車に乗り込んで病院へ行く。
｢かかりつけはどこですか？僕が電話かけますよ｣
一緒に乗り込んだ翔は本当に優秀で、焦って何も出来ない俺の代わりに、何とかしようと動いてくれてる。
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年9月25日 14時
