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｢けほっ、、げほげほっ、、ﾋｭｰ、けほっ｣
こう見えてかなりしぶとい俺の身体。
自分の運転で病院まで来た。
夜間救急は案外混んでて、結構待ちそう。
俺の他にも辛そうな人が沢山いて、順番を優先してもらうなんておこがましい。だから大人しく待つことに。
｢うっ、、はぁっ、、ﾋｭｰ、、ﾋｭｰ、ﾋｭｰ、｣
喘息モドキだから、発作止め用の薬はもちろん処方されてないわけで、なんの対処もできない状態。
ほかの菌を貰わないようにしてきたマスクもしてるのが辛くて、そっと外す。
そしたらひゅーひゅー音がより一層大きく感じられて、あ、ヤバいかもなって冷や汗が滴る。
そんな時にやっと名前が呼ばれる。
｢にのみやさーん？にのみやかずなりさんいらっしゃいませんかー？｣
なんだけど、身体の感覚が無くなったみたいに、座った状態から動けなくて、声も出せない。
｢あ、二宮さん、！大丈夫ですか？声が聞こえますか？｣
どうしてここで寝てるのかも、あの後どーなったのかも覚えてない。
とりあえず、｢聞こえてます｣と返事をし、辺りをぐるっと見渡す。
｢おっ、二宮さん、意識が戻ったみたいで良かったです。｣
そうすると毎度お世話になってる先生が聴診器を耳につけながら入ってくる。
｢早速ですけど、胸の音聞かせて貰ってもいいですか？｣
｢はい、｣
いつの間にか俺は病衣姿になっていて、左腕には点滴が刺さってる。
｢今何時ですか？｣
｢ちょっと喋らないでくださいね｣
｢あ、すみまs｣
先生はパパパッと聴診を済ませ、｢今は8:16ですよ。｣と笑顔で答える。
｢あっ、ほんとですか？？あの、9時に出社していないといけないんですが、あとどれ位で帰れますか？っ、けほげほっ、、けほっ｣
焦って早口で聞けば咳が込み上げてきて、あっという間にひゅーひゅーいいだす。
｢ベネトリン吸入させる、すぐ持ってきて！｣
先生が背中をさすりながら、横に控えていた看護師さんに指示を出す。
｢もう気付いてるかもだけど、喘息で間違えないです。以前から風邪引く度にレルベア処方してたけど、普通の人だったらそんなの処方されないし、もっと早く確定診断まで行ってるべきでした。申し訳ないです。発作が治まって、薬の説明が終わったら帰って貰って大丈夫ですよ。｣
耳元でそう嘆き、用意されたネブライザーを俺の口元まで持ってきてくれる先生。
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年9月25日 14時
