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この病気はどうしても、食欲不振になってしまうもんで、栄養を積極的に摂取していかないとなんだけど、それがなかなか難しい。
二口食べ、すぐに箸が止まる。
相変わらず身体が重いもんだから、なにかに寄りかかってないと辛くて、箸を置き、壁に身体を預ける。
すると、松本さんとお医者さんの櫻井さんが、同時に声を発し、なんだこれ？状態の僕。
｢和くん、大丈夫？身体重い？｣
｢二宮さん、、今はお薬が手元にない状態なので、頑張って食べて栄養を補給していかないと……ゆっくりでいいですから、しっかり食べてください。｣
だってさ。
イケメンふたりにこんなに心配されると気が持たないよ……(汗)
なんて呑気に過ごしてる場合じゃない。
身体を起こしただけで、復活しかけた体力は低下。
疲労感もすぐに現れ、脈も不安定。
食事を採れない時に打つ注射も、決まった時間に飲まなければいけない薬さえもない。
僕の心は再び焦りだし、座ったままなのに、ふわふわとめまいを起こす始末。
すると、
｢二宮さん、あーん！｣
対面に座ったADの大野さんが、僕の口の中に食べ物を放り込む。
いきなりの事で理解が追いつかないまま、無心にそれを食べた僕。
そうすると、満足そうに笑い、｢その調子｣と優しい声を漏らし、数分おきにご飯を食べさせてくれる。
その方法が良かったのか、時間はものすごくかかるものの、確実に栄養を摂取することが出来て、
いつの間にか、ジャンケンに勝った人が僕にあーんして楽しむゲームになっている。(汗)
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年9月25日 14時
