・ ページ26
｢胸痛くない？｣
収録後、帰宅組の俺と大野さんと松本さん。
運転席に座った松本さんが、本日23回目の質問をしてくる。
｢大丈夫大丈夫、今のところ1回も痛くなってない｣
定型文化したこの言葉をポンと吐き出し、隣の大野さんに体重を預ける。
｢にの、スマホは近付けちゃダメだよ、寝るんだったら俺か大野さんに預けて｣
心電図の近くに電子機器を近付けちゃダメってことを知ってる松本さん。
すかさず俺にそう声をかけ、スマホを没収する。
さすが松本薬局。
｢医者潤｣
ボソッと嘆くと大野さんがふにゃふにゃ笑って、名前で遊ぶなと松本さんに怒られる。笑
俺の髪の毛で遊ぶ大野さんの手が優しくて、催眠術にかかりかけてる感覚になる。
あ、もうこれは寝るな。と思った瞬間に、おやすみと言う声が聞こえる。
｢和也起きて｣
｢着いたぞ｣
目を開けたらもう家のエントランス。
ドアの外には荷物をまとめて立っている松本さん。
横には俺のせいで身動きが取れない大野さん。
｢ごめんなさいね〜｣
そう言って起き上がり、車を出る。
むわっとする生暖かい空気に一瞬目眩がする。
｢にの？｣
足を止めた俺を心配して、数歩先の方から2人が近寄ってくる。
｢めまい？したならボタン押しときな。時間は俺が記憶してるから。｣
大野さんに服を捲られ、時計を見る松本さんをぼんやりと見つめる俺。
｢車椅子いる？｣
｢いや、そんな酷くないから大丈夫よ｣
過保護な2人に支えられながら家へ戻る。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 170人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
賞味期限(プロフ) - 傘さん» ありがとうございます😢🫶🏻頑張ります✊🏻 (2022年9月11日 14時) (
レス) id: e5602ed7e0 (このIDを非表示/違反報告)
傘 - 書き方や内容が好きです！これからも自分のペースで頑張って下さい！ (2022年9月11日 12時) (レス) id: e177d1457e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年9月5日 18時
