雨と寂しがり屋 ページ21
雨。
国立競技場でみんなで笑いながら浴びた雨。
それはそれは気持ちが良くて、暖かかったのに。
空模様が不安定だったんだけど、傘を持ってでなかった。
冷たく体に打ち付ける雨の中、
コンビニの袋を右手に、左の手でスマホを操る。
“悪いけど迎え来てくれない？”
マネージャーにそう一言送って、スマホが水で壊れちゃわないように、すぐにポケットに入れる。
左のおしりのポケットにものを入れる癖がある俺。
家を出る前に忍ばせた吸入器と家の鍵でもう既に埋まっていて、スマホが入る隙間がなかった。
持ち替えて右のポケットに入れた俺は、なんの意味も成さないけど、両手で頭を覆い、雨宿りできるところまで走った。
｢もー！傘持たずに出るなんて、、大丈夫ですか？｣
メッセージを送って10分すればマネージャーはすぐに来てくれて、乗った車の中で髪をわしゃわしゃと拭かれる。
｢激しい激しい！全く、、相葉さんじゃないんだから…｣
あまりにも乱雑に拭くもんだから、いつかの新幹線で相葉くんに乱雑に頭を拭かれた時と混同しちゃったじゃんか。
熱…あるのかな？
拭く手が止められると、頭にじんわりと鈍痛が広がる。
｢っ、、｣
無意識に唸ると、
｢苦しいですか？吸入器は？｣
シートベルトをカチャンと差し込んだマネージャーが心配そうにこちらを向く。
｢苦しいとかじゃないから、。ちょっと寝るね｣
そう言ってシートを倒し、腕で目元を覆う。
｢そうですか。着いたら起こすんで、｣
そー言いながら、前の席からブランケットを投げ渡してくれたマネージャー。
車が静かに発進したところで、それを肩までかけ、再び腕で目元を覆った。
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賞味期限(プロフ) - 傘さん» ありがとうございます😢🫶🏻頑張ります✊🏻 (2022年9月11日 14時) (
レス) id: e5602ed7e0 (このIDを非表示/違反報告)
傘 - 書き方や内容が好きです！これからも自分のペースで頑張って下さい！ (2022年9月11日 12時) (レス) id: e177d1457e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年9月5日 18時
