【コンパス】君の成長、楽しみだ。【桜華忠臣】 (ページ9)

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「やはり、あなたが、指揮してたのですね…」

『長さま…』

「ふん、いいか！皆の者！この小娘は、あらゆるものを触れておかしくかえてしまう！気をつけよ！

そこのモノ達は、元は道具！ただのチカラなきバケモノだ！安心してかかれ！｣
長の声と共に、屋敷にひとがながれこみ
1人の剣士が
A達に切りかかる。

しかしその剣は、勢いよく弾かれ、敵陣におちる。数名負傷したようだ。

Aがみたそのすがたは…

『父上！？』

「なにしてるA。今のうちにみなをつれ逃げなさい。」
「絶対に、やられてはならないよ。僕らはさておき、君が居なければ、モノ達はその場で戻り壊れる。」

『！！、そ、そうか…みんな、戻っちゃうんだ…』

「だから、A。最後まで生きなさい。」

『！！はい！父上、ありがとう。』

「ああ！みんな、Aを、娘を頼むよ。」

『行こう、みんな…！』

そうして裏門へと走り出したA達。

金属のぶつかり合うおとが絶え間なくきこえている。

裏門へついたとき、「Aさま！主人が！やられてしまいました！おれが変わって抑えてますがもう…！早く逃げてください！」
思わず声の方をみると、父上の剣が人の姿で食い止めている。その足元には、
赤く紅く…真っ赤な父らしきモノが倒れていた。

「『そんな…！？』｣
「Aさま！母上さま！早く！！」

《父上…最後まで》(あなた、今まで)
《(ありがとう…)》

裏門を出る瞬間、ガキリと嫌な音がした…
......................................................
それから必死に裏山に向かい走っている。
その間にも追いつかれそうになっては、
非戦闘員の食器や文具たち、小回りのきくモノ達が壊れるまで囮をして、逃がしてくれていた。

Aにとって、これ程怖くこれ程悲しいことは、ない。
今まで大切にすごした家族たちが、壊されていく。
それに心をいためながら、裏山の中腹にある祠についた。

なんでも、長の目指す国の上に立つものが住まってした屋敷の跡だとか。

その祠につけたのは、Aと、帯刀している朝霧、夕断ち、
チカラが乱れているのか、いつもより大きいすがたの、ぬいぐるみのれん。
そして、母上と、2つの茶器とひとつの筆だった。

あとのものは、主を守るべく、かばい、壊れて行った。

「A、いい？祠に遠くへ逃げれるようお願いしなさい。きっと、モノ…生き物ならざるモノならチカラを貸してくれるわ。」
『うん…』
Aは目を閉じ、祠にいのる。