【コンパス】君の成長、楽しみだ。【桜華忠臣】 (ページ29)

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それは奇跡ページ29

『…う…。どうすれば…？』

『やだ！父上と、母上と離れたくないよ！せっかくまた会えたのに！！』

「A、お願いだ。戻ってくれないか？」
『！？』
「俺たちも、出来るならお前とともに居たい。だが…｣
「あなたが、帰らないと、ここはいずれ無くなるわ。身体の持ち主が居ないから…
そうすれば、私たちも、消えてしまうの…」

『…！そんな…』
「だから、帰りなさい？」

『…わかった。ありがとう2人とも。いつまでも、大好きだから！！』
「「！！ありがとう。」」

「さあ、こっちよ！」
2人に手を引かれ、ふわり。と浮遊感。

そして…

暗闇から、光に放り出される。
すると身体が重くなる。

身体に戻ってきたの？
確認で手にチカラを込めると少し動く。

パチリ。

目を開ければ
桜華の屋敷の天井。
少し体をよじると体に走る痛みに思わず声がでる。

『うっ・・・！いてて。』
「「！！」」
「A！！めがさめた！？大丈夫！？
俺の事わかる！？」
泣きながら、Aを揺さぶる忠臣
「これ！！そう揺らしては傷に響く。」
「Aさん！目覚めてくれてよかった…！」
そして実臣様と凛子様。

痛む身体に、感じる桜華屋敷の皆の温かさ…
『あ…刺客は！？っ…い…った…』
「Aさん！無理に動いては傷がひらくわ…。」
「無理もない、忠臣を庇ったとき、背を1度切られておるのだ。
あの刺客共は、Aのおかげで、捕縛できた。
桜華の主として、礼を申す。
それと…まだ幼い娘に、大きな傷を付けることになり申し訳ない。」
何とか言葉を絞り出すと実臣は床に頭を下げた。
『実臣様！？頭を上げてください！？』
Aは予想外の実臣の謝罪に慌てる。
しかし、当の本人は頑として
「そうはいかん！！大事なうちの娘であるAに親である我のせいで大きな傷を付けてしまったのだ…。
申し訳ない。」と譲らない。