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―結side―

中学三年生。

「伊藤さんって恋愛対象が女子だって噂だよね」

「うっわ。キモ」

「関わらない方がいいよねー。好きになられたら最悪だし」

別にいいもん…。

結は机の上で手に力をギュッと入れる。

それに、あんたたちみたいなの好きにならないし。

自意識過剰すぎ…。

「伊藤さん」

「へ?」

顔をあげると同じクラスの佐藤さんが立っていた。

顔をフイッと逸らす。

「何?」

「英語のノート。先生に渡してって頼まれてたから」

差し出されたノートを受けとる。

佐藤さんって他の人とちょっとだけずれてるな。

普通、顔を逸らされたら気分が悪くなるものなのに。

「ありがとう…」

「ん」

それ以上は何も言わず、自分のに席にスタスタと戻っていった。

結はその様子を何故か見ちゃう。

「うわぁ…今度は夕希に目をつけたんじゃない?」

「マジでー?忠告しといた方がよくない?」

「だねー」

さっきまで噂について話していた3人組が佐藤さんの席に近づいていく。

「夕希ー」

「どうしたの?」

佐藤さんは読んでいた本から顔を上げる。

「伊藤さんに目、つけられてるよ」

「なんのこと?私、何かしたかなぁ」

「夕希知らないの?伊藤さんの恋愛対象、女子だって」

「へー、そうなんだ」

「皆、知ってるよ?夕希、気を付けた方がいいって」

「分かった。あ、私トイレ行きたいから」

そう言って佐藤さんは席を立ち、教室から出ていく。

結のこの噂が流れたのは本当に突然だった。

誰かに告白とかしたわけでもないのに、いきなり言われるようになったのだ。

…間違いではないけど。

結はため息を吐いた。

放課後、結は先生にプリントを提出し職員室を出たときだった。

「あ、」

「え?」

結が声を出すと、向こうも気づき結をみる。

佐藤さんだ。

「…佐藤さん、今帰るところなんだ?」

「うん。よかったら、一緒に帰る?」

結は目を見開く。

もしかして、興味本心で近づいてこようとしてる?

だが、誘われたのは単純に嬉しかったので警戒しながらも頷いた。

二人で歩道を歩く。

佐藤さんはとくに何も喋らない。

結は沈黙に耐えきれず、口を開く。

「あれ…どう思った?」

「あれ?」

「恋愛対象が女子だっていうの…」

「あー…」

佐藤さんは思い出したように笑った。

初めて笑ったところをみた。

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みあゆい - 私、小説家になるのが夢で…。もしかしたら、この小説を小説家になるためにつかったりするかもしれません。すみませんが、この小説は途中で終わらせてもらいます。すみません…。 (2020年4月19日 1時) (レス) id: d8054442c3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みあゆい | 作成日時:2019年12月4日 16時

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