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学校に行く途中、笹井向日葵の口からは大きなため息がでた。

「はぁ」



何でパンを選ばなかったんだろ…。

今日の朝ごはん。

お母さんはいつもより気分が良かった。

いつもうるさいぐらい元気だが、今日の朝は特にだ。

最初は理由が分からなかったが、奧にあるオーブントースターの中にパンらしきものが焼かれている。

もしかして…パンの作り方を新しく覚えたから作ってみた、ってことかな。

料理好きなお母さんはレシピ本やテレビでみたものをすぐに作る。

私はイスに座った。

「向日葵っ。今日の朝は、パン?ご飯?どっちがいい?」

いつも通りの質問だが、少し違う。

最初に、パン?と聞いてきた。

やはり、パンを食べて欲しいようだ。

向かいの席に座っているお父さんをチラッとみた。

お父さんは、パン食べてる…。

お父さんは向日葵の視線に気づき、自分の皿に乗ってるパンを目でみてから向日葵の目をジッとみた。

その額には汗が張りついている。

『パンを選べ!』

そう言ってるように聞こえた。

「向日葵っ?」

「あ、じゃあ、パ」

その時、向日葵のお腹がなった。

何か…ガッツリ食べたい。

「やっぱり、ご飯が食べたい」

その瞬間、お母さんはガクッと項垂れた。

「うん…分かったわ。ご飯ね…おほほ」

お父さんは、『あちゃー』という顔をしながらパンをゆっくり口に運ぶ。

結局、お母さんは私が家を出るまでずっと落ち込んだままだった。


私のバカ…。

自分の気分に従わず、パンを食べれば良かったのに。

空気が読めない私…。

「はぁ…」

こんな私、嫌いだ。

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作者名:みあゆい | 作成日時:2019年12月5日 12時

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