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「え…」

カゼは鋭い目をしていた。

後ろを振り返ると、カイが倒れている。

まだ生きているようだ。

胸が上下に動いている。

お腹のところから血が流れていた。

もしかして…。

「カゼが撃ったの?」

カゼは何も言わず、カイを見続けてる。

「かはっ…」

カイが咳き込む。

「銃を…使うだろうな…とは、思っ、たけど…動きが…速かったなぁ…」

「致命箇所は避けた。…苦しみながら死ね」

「ほんと…最悪、だな」

カゼはカイのポケットに手を突っ込み、銃を取り上げた。

「來夢、こい」

ビクッとなる。

カゼは確実に怒っている。

來夢は静かについていく。

「カ、カゼ…食料は…」

「明日買いにいく」

「そ、そっか…」

諒の家に戻り、カゼは自分の部屋へと一直線に向かった。

來夢も部屋に入ると、カゼはバタンッとドアを閉める。

「……」

沈黙。

來夢の頭の中はパニックになっていた。

先に謝った方がいいよね…っ!?

でも、カゼ許してくれないかも…。

だけど、謝るのと謝らないとでは絶対に謝った方がマシだと思うッ!

謝ろう…!

「カゼ…あの、ごめんなさいッ!話してなくて…」

「話してなくてじゃないだろ。隠そうとしてただろ」

來夢はハッとなった。

確かに…俺、話そうとしてなかった。

バレないように気を付けながら…、嘘までついて…。

「…ごめん」

「……」

「カゼを助けたくて…お金必要だったから…」

「……」

「まさか…だ、抱かれるなんて…思ってなくて…」

「……」

「でも…結果的にカゼを助けれたから…よかった」

カゼはため息を吐いた。

「…俺、來夢がこんな目にあってまで助けてほしいって言った?」

來夢はムッとなる

なに…その言い方。

「助けてほしくないとも言われてないっ!」

來夢は言い返す。

「それに…これは俺の自己満足だから。カゼに死んでほしくなくて、俺がとった行動だもんっ!後悔してない…」

「言いたいことは言えたか?」

「へ?」

「じゃあ次は俺の番。來夢…、お前が今言った言葉はただ自分に言い聞かせたくて言った言葉じゃないのか。後悔してないだと?お前、トラウマになってきてるだろ」

「…なんのこと?」

「俺やアイツに触れられたとき、怯えてたよな?嫌がってた。怖くなってんだろ。誰かに触られるのが」

「…違う」

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作者名:みあゆい | 作成日時:2019年12月6日 17時

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