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カゼが警戒してるとき、來夢の心臓はバクバクとなっていた。
｢はっ…はっ…｣
息が荒くなる。
頭の中にアラーム音がなり続く。
警戒、警戒、警戒、警戒。
誰かはまだ見ていない。
けど…、聞き覚えのある声。
來夢は微かに頭を動かし、後ろにいる人物を見ようとする。
だが、その前にその人物が後ろから來夢にギュッと抱きついてきた。
｢來夢、元気？私のこと覚えてるかい？カイだよ｣
｢あ…｣
その名を聞いた途端、あの夜のことが映像として一気に頭のなかで流れていく。
｢やっ…やだ…はな、して…っ｣
怖い怖い怖い怖い怖い怖い…。
來夢が呟くとカイは抱きついてる腕にさらに力を入れる。
｢來夢は可愛いねぇ…。もっと、嫌がって…｣
｢やっ…｣
カチャ
｢離せ｣
カゼが銃を向ける。
｢カイ…、裏の世界だと名の知れた奴だ。そんな奴が何故、來夢を知っている｣
｢あれ？來夢から私のこと聞いてないのかい？残念だなぁ。よし、この際私と來夢がどういう関係か紹介しよう｣
來夢は目を見開き、ガシッとカイの腕を掴んだ。
｢ダメ…！話さないで…！｣
｢おや、照れてるのか？まぁ、來夢は話されるのは恥ずかしいかもな。抱かれてるときの來夢は可愛かったから｣
あ…。
バレた。
來夢はビクビクしながら、カゼの顔をみた。
｢…は？｣
殺気がすごい。
カイは話続ける。
｢來夢が店にやって来てね、私に声をかけてきたんだよ。いやー…來夢は演技が上手くてねぇ、私も最初は騙されたよ。キレイな女性だったが私は断った。私は女性に興味はないからね。私の趣味はまさに來夢みたいな男を可愛がるのが好きなんだ。今までピンッとくる人はいなかったが…、來夢は一旦私から身を引き、そして私が言った好みの人になりきってもう一度来たんだ。私は飲み物に薬を入れ、泊まってたホテルに連れ込み抱いた。最後まで嫌がってたが、それが私にはたまらなくてね…興奮したよ｣
ペラペラと語るカイ。
來夢は絶望していた。
全部…全部話された。
バンッ
後ろに立っていたカイの腕が來夢から離れた。
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作者名：みあゆい | 作成日時：2019年12月6日 17時
