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カゼはため息を吐く。
｢…俺が襲われてお前が巻き込まれても助けたりしないから｣
來夢は大きく頷いた。
カゼは來夢の頬に手をあてる。
｢俺に会いに来たのか｣
｢うん｣
｢フラフラしてんのに…ありがとう｣
來夢は微かに口の端をあげ、笑った後、パタッとカゼの腕の中に倒れた。
眠っていた。
諒は煙草を吸いながら、家の扉へともたれかかっている。
｢寝たのか｣
｢起こすな。たぶん、何日も寝れてなかったんだ｣
｢ふーん…、とりあえず早くお前に貸してる部屋で横にさせてあげれば｣
｢分かってる｣
來夢をおんぶして運び、ベッドに寝かせる。
後ろに立っている諒が｢珍しいー｣とカゼをみながら呟く。
｢さっき俺が話しかけても無視しなかった｣
諒を睨む。
｢黙れ｣
｢俺が喋っても、無言で通り過ぎていくし｣
カゼは來夢をみた。
スヤスヤと眠っている。
｢そんな顔できたんだ？｣
｢は？｣
｢優しそうな顔してんじゃん。その子以外にはみせない顔｣
諒はクスッと笑う。
｢お前らの関係って何だろうな？友情とも違うし、恋愛感情でもない。でも、互いに惹かれて求めあって、一緒にいたいと思う｣
｢口を閉じろ｣
｢はいはい。じゃっ、おやすみー｣
諒は手を振りながら自分の部屋へと戻っていった。
｢んん〜…｣
來夢が寝返りをうった。
口に髪が入りそうだ。
カゼはサッと來夢の髪を払った。
｢寝るか｣
カゼも一つしかないベッドへと入り、眠りについた。
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作者名：みあゆい | 作成日時：2019年12月6日 17時
