めめの妹５ (ページ6)

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冷静な阿部ページ6

ー阿部亮平ー

寒っ…なんか一気に寒くなった。

寒さで目を覚ませば三列目に座る岩本、宮舘、Aがなにやら、騒がしくて…。

隣に座る向井が寒いと言って目を開けたからブランケットをかけてあげて、状況を確認する。

んー、車酔いで吐き気か…
まだ吐いた様子はない…だとしたら、スッキリさせてあげた方が楽だろうね…。

リンゴジュースを飲ませてあげて水分で吐き気を誘発させ、吐けたら水で薄めて飲ませればいいか…。

後は…梅干しかな。
梅干しは、吐き気をマシにするとも言われるって何かの記事で読んだことがある。

俺…斜め後ろにAが座ってるからちょっと大変なんだよね…。焦ると余計に辛くなるから冷静に対応しなきゃだし…スヤスヤと眠るところ申し訳ないけど…

阿部「翔太、翔太…ねぇ…寝てるところごめん。ちょっと起きて？席変わって」

と、なんとか渡辺を起こして、席を変わってもらう。

渡辺「え…ねぇAいつからそんな？」

宮舘「20分くらい？吐きそうだけど吐けなさそう…。ずっと背中摩ってるんだけどね」

なんて、話していると1番背中が波打つ。

宮舘「お…そろそろか…ちょっと強く撫で撫でするよー」

なんて、言いながら強く撫でるも、なかなか辛そうにするだけ。よし、仕方ない。こうなったら…

阿部「A？げぇってする方が、楽になるから我慢だよ？照、絶対口元から袋離さないでね？舘さん、強く背中波打ったタイミングで言って？翔太は…吐いた後のケアお願い」

「「「了解/分かった」」」

阿部「佐久間、寒いかもしれないけど一回暖房止めて？」

落ち着いて、落ち着いて。
冷静に対応する。

宮舘「阿部、今」

宮舘の合図を元に鳩尾の辺りをグッと押す。

その瞬間に「ゲェェェェ…」と…

一瞬で嘔吐することができた。

阿部「よし、頑張ったね。スッキリしたでしょ？Aさ？少しこれ飲んでみよ」

薄めたリンゴジュースを飲ませて顔を確認する。
うん、顔は赤くなったし大丈夫だね。

佐久間「阿部ちゃん、この先のスーパーでいい？」

気が付けば高速道路を降りていたからスーパーに寄ってもらう。

阿部「佐久間さ、ごめんだけどスポドリと、梅干しと、念の為の冷えピタとお願いしてきていい？」

佐久間「了解したであります。すぐに行ってきますっ」

そう言って佐久間は運転席を降りる。

渡辺「涼太さ」

宮舘「いや、大丈夫だよ」

ゆり組…一言で会話してるじゃん…
凄すぎる。