めめの妹５ (ページ14)

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当てる手ページ14

Aを抱きながら阿部の背中を押して歩くこと数分。ようやくテントへと戻って来れた。

深澤「うぇ？！
ちょ、どーしたのさ。何事？」

と、慌てふためく深澤の言葉に全員の視線がこっちに向く。

俺はAをお願いと、言おうとした。
が、先に阿部が話し始めた

阿部「めめごめん、葉っぱで滑ってしまって…手は繋いでたんだけどA怪我しちゃって」

痛いのかグズグズで泣き続けるAを一度目黒の元へ

岩本「目黒、翔太、水で洗って絆創膏してあげて？俺のカバンに絆創膏あるから。阿部とちょっとテントいるわ」

そう言い残し、バッグを車から取り出し阿部の手を引いてテントの中に入る。

岩本「布団座って、足伸ばして靴下脱いでズボンちょっとだけ上げて？」

と、声をかけズボンを上げてもらうと完全に足首が腫れていた。いや、阿部。よくその状態で歩けたな…A抱きながら…。

阿部「照…俺なら大丈夫だから…」

なんて、未だに言うけど、そんなこと許可出来るわけもない。厳しく、優しく、声をかける事にした。

岩本「阿部さ…まずAの事助けてくれてありがとう。阿部が手繋いでたから擦り傷ですんだ。ほんと助かった。でもさ、阿部。いま阿部が言ってる大丈夫は大丈夫じゃない。足首から足の甲まで腫れてんの。本来ならすぐ病院行くべき状態なの。俺たちってカッコよく踊って歌って笑顔を届ける立場でしょ？阿部の今の状況じゃ歌番組出れないよ？リスケしてもらう？」

阿部「…それはやだ。でも…」

岩本「でもじゃないよ。リスケ嫌なんでしょ？それともどうする？今から病院行く？阿部さ…リスケは嫌、病院は嫌、キャンプ残る、大丈夫だから。は通用しないよ？今湿布して固定してれば2日くらいなら大丈夫だと思うから。Aも、怪我したでしょ？今から消毒大人しくするんだよ？阿部はできない？帰る？」

阿部「…湿布と固定…。お願い」

岩本「うん。あ、本心じゃないよ？俺も含めて、俺たちは、ありがとうとごめんねの気持ちでいっぱいだから。A見てくれてたの、阿部でよかった。しばらく無理に動かさなければ大丈夫だと思うから。リスケもしないし、キャンプ場にも残る。ただ、悪化したら病院」

そう言いながら阿部に湿布をして固定をする。

岩本「よし、できた。
バーベキューまで休んでる？」

阿部「ありがとう、照。ううん、もう大丈夫だから。今度はAの手当て」

そう言って2人でテントを出た。