不安は願い ページ6
side ⇨ F
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またあの顔だ。
中島がいなくなった時と同じ、中島のことを考えてる顔。
悲しそうで何かを思ってる、複雑な顔。
Aが言ってた、「 変わらないで 」って言葉。
誰を思って言ったのかなんて、
聞かなくても分かる。
中島、あの言葉は、嘘だったのか?
「 高校生になったら、戻ってくから。 」
本当だったとしたら、俺は、早く会いたい。
だけど、それと同時に、会いたくない。
そう思ってしまう。
別に中島が嫌いなわけじゃない。
Aが、俺を必要としない気がして、
視界にも入れない気がして、
不安なんだ。
俺の弱い部分が、
戻ってくるな、
そう強く願っている。
そう願ったとしても、根本的な問題は変わらない。
分かってるよ。
Aは、中島しか見てないって。
だけど、少しだけ、
ほんの少しだけでいいから俺を見て?
でも、運は、俺を味方してくれなかった。
すぐそこまで、俺の不安が本当になることを
俺も、Aも、知らないでいた。
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作者名:まる | 作成日時:2018年10月21日 0時