期待の大きさ ページ5
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『 ……であるように、これも成り立つ。 』
キノコ頭の先生が一所懸命わたしたちに
説明している。
「 はぁ、 」
ほとんどの生徒は、さっぱりのままノートに板書する。
わたしは、それ以下。
飽きて、ノートさえも写す気になれない。
隣のきくちは、頬杖をつき、
シャーペンをスラスラ動かしながら、ノートに板書していた。
頭いい人は、
授業だけで理解できるから羨ましいよなー。
自分は、ペンを動かすわけでも、先生の説明を聞くわけでもなく、ボーとしているのに。
きみは、勉強得意かな?
何の教科が好きなのかな?
こんな時でも、きみのことばかり。
いつ戻ってきてもいいように、
いつきみと再会してもいいように、
身なりだけは、綺麗にしてるつもり。
続かなかったダイエットも、頑張った。
苦手だったメイクやヘアアレンジも、たくさん練習した。
ファッションだって、自分の似合うものはどれか、いっぱい研究した。
この努力は、きみがわたしにいい印象を持っていなかったら意味ないのに。
きみがわたしのことを覚えていなかったら、全部水の泡なのに。
必要以上に期待してしまう。
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作者名:まる | 作成日時:2018年10月21日 0時