【刀剣乱舞】胡蝶蘭の少女【乱藤四郎】 (ページ6)

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じゅうなな．異変ページ6

薬研side

目の前で苦しそうに息を繰り返す乱の額に、先程絞ったばかりの手拭を乗せる。

これは気休め程度の応急処置だ。

先程の大将の話が本当だとすると、外部の俺っち達は一切干渉する事は出来ない。
こんな事しか出来ない自分に苛立ち、思わず歯をギリッと強く噛む。

…駄目だ、今俺っちが苛々しても何も出来ない。
落ち着かせようと、深呼吸をしようとした時。

薬研「…っっ！！大将、大変だ！！」

見つめていた乱の左肩が、斬られた様に血で染まっていた。

＊＊＊

友斗「…取り合えず、治したけど…どうしてだろうか…」

薬研「俺っちも分からん。いきなり血が滲み出して…」

機動を全開に使って大将を呼んで、手入れをする。一応治ったが、苦しそうなのは変わらない。

…原因は何なのだろうか。
左肩を怪我した記憶はないし、まさか寝てる途中に傷が開く事も可笑しい。

それに、見ると斬られた様な跡があった。
俺っち達が、普段戦場で負わせ負わせられを繰り返す傷だ。

大将もそれに気づいてる。
だけど、何故だかは分からない…

＊＊＊

Aside

そんなこんなで避けながら攻撃を繰り返してると、左肩の傷が癒える感覚がする。

横目で見ると、手入れでいつも見る、柔らかな光と、主様の霊力があった。

…まさか、自分が此処で負った傷は、彼方にも影響が出るのか。

顔面に来た短刀を顔スレフレに避ける。
だとすると、此方がかなり有利になる。

幾ら身体能力が高くても、傷は受ける。
少しずつだが、傷を負わせている。

『…なら、どんどん攻めちゃうよ！』

待ってて、乱ちゃん。
私達が、救いだして見せるから。

＊＊＊

『…っはぁ、こんなに近くに来ちゃったよ！』

改心の一撃を思いっきり斬りつける。
邪気は油断していたのか、それを正面から受ける。

今だ。
速く屈み、本体で首を真っ二つにしようとする。

しかし、邪気が最期の力を振り絞り、受け止められる。
とは言ってももう重傷だろう、腕も震えている。

『…さようなら。』

そのまま腕に力を入れて、首まで持っていく。
自分の本体が床らしきものに接触したのを確認して、ゆっくりと腕を上げる。

押し倒していたので離れ、乱ちゃんの探索をする。
しかしここで油断してたのだろう、後ろを向いてしまった。

右足に激痛を感じる。

『＿＿＿ッ！！』

思わず屈む。右足を見ると、邪気の短刀が自分の足を貫いていた。

邪気を見ると、痛そうにはしているが、まだ動いていた。