【刀剣乱舞】胡蝶蘭の少女【乱藤四郎】 (ページ24)

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惨拾壱．混乱ページ24

今、私は湯槽から出て、自分の部屋に戻る所だ。

今日も今日とて、いつもより変わらなかった。
…何だか、あの頃を思い出してしまう位に。

「そんなに追い詰めなくて良いのだぞ、乱。」

『…え？』

この本丸にはいない筈の刀剣の声がして、思わず振り向く。

そこには、ニコニコと読めない笑みを浮かべた、三日月さんが立っていた。

そして目が合ったと同時に、吐気に苛まれて、持っていた手拭いで口を押さえる。

三日月「っ、すまない乱…俺は残念ながら、見習いの刀剣になってしまったんだ。
察していると思うが、俺は本霊に言われてこの本丸に来た。
だが、お主の主を主として迎えられなかった…」

『ゴホッ…うん、分かってる…』

私の心が読めてた辺から、何となくそんな気がしていた。
旅人さんが、心配だから送ってくれたんだろうけど…計算違いで、見習いの刀剣になってしまった。

だから私を守る所か、私に近付く事すら出来ない。私と乱ちゃんの加護と、三日月さんの中にある見習いの霊力が反発し合うからだ。

三日月「…お主を傷付ける事しか出来ない…本当に、すまない…もし、望むなら、俺を、」

『刀解なんて、申し出ないでよ。』

何となく次の言葉が分かったので、無理矢理塞ぐ。三日月さんも図星だった様で、ぐっ、と言葉を飲み込む。

確かに頼まれて来たのは分かってる。だけど、私を守れないってだけで還るのは、間違ってると思う。

『…三日月さん、見習いとは契は結んだ？』

三日月「否、俺は未だ仮契約と言う形になっている。」

やっぱり。
自分の本丸で鍛刀してないから、主さんが仮契約に済ませたのか。

どういうこと、と思う事があるだろう。
まぁ端的に言えば、三日月さんは見習いによって鍛刀されたのだ。

今日、主さんは見習いに鍛刀をさせると言っていた。そこではじめて、三日月さんが鍛刀されたのだろう。

全く、先輩の資材を多く使うなんて、礼儀がなってないんじゃない？

『…三日月さん、主さんは私が元人間だと言う事を知っている。だから、主さんに事情を説明して、本契約を先に結んでしまえば、私が吐く事もなくなる。
…最初は、ちょっと辛いかもしれないけど。』

一度体に入った霊力は、数日で消える程生温い物ではない。
だから、今の私の様に体調不良が増えるだろうけど…

三日月「…そうだな、あい分かった。お主を守る為に、本契約を交わそう。」

…あれ、結構ノリで言ったのに、やってくれる系？まぁ助かるけど。