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番外編.訪問者 ページ47

だんだん甘い匂いが漂ってきて、音が鳴る。
泡立てていたクリームを一端置き、一番最初に入れた生地を見る。

生地はきちんと焼けていて、ふくらんで、美味しそうだ。

取り合えず取り出して、他の生地を入れる。

オーブンは三個しかないから、こうやって焼くしか無いんだよね。
オーブンの時間を設定する。

生地は型から外して冷ましておく。
その間にも、クリームを沢山泡立てておく。

…多分昼に倒れるな、私。


***

それから二個目、三個目が焼き上がり、また他の生地を入れた。

そして充分冷めた一個目の生地を、横に2つに切って、それぞれ横におく。

そして、まず土台の方にまだ泡立ててない、クリームとチョコのみ加えたソースを塗ろうとした時。


「甘ったるい匂いですね。こんな時間帯に何してるのです?」

『っ?!そ、宗三さん…』


後ろから怠そうな声をあげたのは、宗三左文字さん。

目を細め、眠そうにしてるのが分かる。
多分、匂いを感じて此処に来たんだと思う。


宗三「もう3時も過ぎてますよ…一体、離の厨で何を?」

『明日…と言うか今日は、バレンタインデーじゃないですか。』

宗三「嗚呼、女人が男にチョコレートをあげる………まさか貴女、ずっと一人で全員分を?!」


あまり声を挙げない宗三さんが、予想外だったのか、叫んで驚く。

私はくるっと後ろを向いて、チョコレートソースを塗りながら話す事にした。


『ええ、皆最近そわそわしてたじゃないですか。だから作ろうと。』

宗三「それはそうですが…別に深夜に作らなくても…」

『全員分のを作るとなると、厨を二時間以上使う事は予測出来ますし、折角だから驚いて貰おうかなぁ、と。』


私はイベントには積極的じゃない。
むしろそれをやって得するのか?と疑問を抱く位だ。

けれど、数日前からあんなに待ってて、短刀達もそわそわしてる。

流石にそこまで期待されて作らない程、私に心がない訳じゃない。

宗三さんも理由を聞くと、あぁ、と声を漏らした。多分納得したんだと思う。


宗三「確かにそうですが…誰かにばれるとか、考えなかったんですか?」

『考えた結果、本家の方ではなく離の方にしました。それに、百近くいるのに一人も気付かずに作れるのは奇跡より奇跡ですから。』


生地にソースを全部塗った後、泡立てたクリームで飾り付けをする。

ついでに果物も幾つか。

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レモン(プロフ) - はじめまして、すごく面白かったです!演練2で女の子同士ではないでしょうか? (2018年11月17日 23時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
あすひ - 面白くて一気に読みました!これからも頑張ってください^∞^ (2018年10月10日 18時) (レス) id: 514ad356af (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:赤林檎 | 作成日時:2018年10月7日 0時

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