15．他の本丸‐過去偏‐ ページ20
…で、次に目に入ったのは、木の天井だった。
そうね…主さんの本丸と同じ天井で、少し懐かしかった。当時はあまりそういう事は分からなかったけれど。
それで、暫く天井を見つめていたら、襖からその本丸の薬研が入ってきたの。
薬研「よう、乱。調子はどうだ？」
『…傷は痛まない。痣も無さそうだし…手入れしたの？』
薬研「おう。もちろん、許容範囲内でな。」
私は女だから、そういう事を気にしてくれたらしい。何でも、薬研も一緒に手入れしたらしいからね。
でも、そこの審神者さん、女性だったから、どうも言えなかったわ…
その話は置いといて。
あれから体調面について、薬研に色々聞かれた。その後、一期さんも入ってきて、心配してくれたの。
…あぁ、いち兄って呼ばない理由？
そこの本丸には既に乱藤四郎がいてね…
それに、自分はその本丸の刀剣では無かったから、流石に失礼かな、って思ったの。
で、ちょっと駄弁ってたら、いきなり薬研がその本丸の審神者さんに会わないか、って言って。
まぁ挨拶しないのも失礼だし、傷を癒してくれたなら、行くしかないわよね。
人間は少し怖かったけど…私には″武器″があったから。
「…はじめまして、乱藤四郎…の女体化さん。私はここの本丸の審神者の
『…どうも、審神者さん。改めて、乱藤四郎です。女体化だけど。
えっと…取り合えず、治してくれてありがとうございます。』
何とも珍しい名前の審神者さんだったから、びっくりしちゃった。
何とか隠したけど。
で、お礼をするのは基本よね。そもそも、お礼を伝える為に来たんだから。
呉「いえ…私には、これくらいの事しか出来ませんので。
ところで、乱様。…どうして、三条大橋に、単騎出陣していらしたのですか？」
『…えっと、単騎出陣、とは？』
その審神者さん、ずっと私に対して敬語だったからさ、私もつられて敬語で話してた。
それで、呉さんは驚いた様子を見せながらも、詳しく教えてくれた。
『…成る程。ご説明、ありがとうございます。
質問の返事なのですが…単騎出陣、より家出でして。』
呉「…家出？」
薬研「そりゃ、どうして…」
薬研も一緒にいたから、私に聞いたの。
それから、私は今までの経緯を、簡単に言った。流石に他の本丸の事情を、詳しく話す訳にはいかないから…
そう言った後、薬研が震えだした。
それで、立ち上がって、こう言ったの。
薬研「馬鹿か！」
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レモン(プロフ) - はじめまして、すごく面白かったです！演練２で女の子同士ではないでしょうか？ (2018年11月17日 23時) (
レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
あすひ - 面白くて一気に読みました！これからも頑張ってください^∞^ (2018年10月10日 18時) (レス) id: 514ad356af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤林檎 | 作成日時：2018年10月7日 0時
