6．拒んでしまう ページ8
長い夢を見ていた。
けど、その夢が何なのか、思い出せなかった。
分からなかった。
＊＊＊
『……う、ん…』
意識を取り戻し、瞼を開ける。
目の前には、木で出来た天井が写っていた。
ゆっくりと起き上がり、周りを見てみる。
…ほけんしつ、とやらなのか、包帯や絆創膏が置いてある。ついでに怪しい薬も。
そして私は、その部屋の真ん中に、布団を敷かれて眠っていた。
誰かが拾ってくれたのかな…
傷が完治してる…って事は、もう一時間は経ってるのかな？
だとしたら、お礼を言って、ここを出なくちゃ…
そう思っていた時。
？「……乱…」
『……あ、う………？』
？「乱っっっ！！」
襖を開けて出てきたのは、長身の空色の髪の毛の男性。
記憶を辿ると、どうやら藤四郎の兄らしい。
けど、けど。
…怖い。
『いやっ…！！やだ、ごめんなさ…！』
一期「…乱？」
急に、まだ死んでいなかった頃の記憶が甦る。
誰だか知らない男性に殴られ、蹴られ、刺され、叩かれる。
暗い創庫に閉じ込められる。
そんな気がして、怖くて彼を拒んでしまった。
『ぁ…ご、めんなさ、ちがうの…！！』
一期「落ち着いて、乱。誰も怒ってなんかないさ。ほら、深呼吸だ。」
そう言って、背中を優しくさすられる。
が、私には背中にどうしても消えない傷がある為、むしろ逆効果になった。
…そもそも、深呼吸すら分からないから、どうする事も出来ない。
『やだっ、やだあ！！ごめんなさい、ごめんなさい、良い子にしてるから！！貴方達の、思い通りにさせるから！！
だからっ…！！』
一期「乱っ……」
？「いち兄、少し席を外してくんねぇか？」
開けっ放しの襖から姿を見せたのは、今の″乱藤四郎″とは高い身長の少年。
格好と声の高さが合っていない。
が、何故か落ち着く。
一期「薬研っ………頼んだよ。」
薬研「任せとけ。いち兄は、大将に報告してくれよ。」
最後の方はあまり聞こえなかったが、気にしない。
それより、私は治らない背中の傷が、触られた事によって痛みが増して、どうにかなりそうだった。
『痛いっ……やだ、こんなの…』
薬研「落ち着いてくれ、乱。ほら、深呼吸を…」
『…なに、それ。分かんない。』
そう言った時、確かに部屋の温度が下がった気がした。
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雪雫(プロフ) - 三日月の本霊がきていたから、薬研と新撰組も乱の中身が人間って知っているのでは？むしろ鶴丸の方こそ人間だと知らないのでは？ (2019年12月27日 2時) (
レス) id: 48f7317aae (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - ありがとうございます！更新がんばってください！ (2018年9月29日 15時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 乱→１４５センチ 薬研→１５３センチ 寄って同じくらいではないです (2018年9月28日 21時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
イケ(プロフ) - 12で三日月出てる？ (2018年9月23日 22時) (レス) id: 85ff92ecab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤林檎 | 作成日時：2018年9月11日 23時
